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(左)1849(嘉永2)年創業の旅館を受け継ぐ蓬莱が前身。たたずまいに風格が宿る。別館ヴィラ・デル・ソルと合わせて、和と洋両方のくつろぎを提供する。
(右)熱海芸妓の若き精鋭、静さん。ご当地楽では静さんら芸妓による華やかな舞とお座敷遊びが用意され、楽しいひとときを過ごすことができる。
遊びを極め、実ちて帰る
星野リゾート

Photo Satoru Seki Text Mayumi Sakamoto
1914(大正3)年、長野県軽井沢の地で星野温泉旅館が開業してからちょうど100年。節目の今年中には、インドネシア・バリに「星のや バリ」を開業(予定)し、初の世界進出を果たす。日本のおもてなしは、クールジャパンの核となり得るのか。都心からも程近い、熱海と箱根の星野リゾートの施設を訪ね、おもてなしの流儀を探った。

界 熱海

 東京五輪招致のプレゼンテーションで、滝川クリステルさんが紹介して注目された「お・も・て・な・し」は、日本および日本人を代表する言葉である。しかし「日本のおもてなしの定義はあいまいで、はっきりしていない」と星野リゾート社長・星野佳よし路はる氏は言い切る。
「外国の方が日本のおもてなしを語ると、気が利いているとか、気遣いがあると言います。しかし、この定義では通用しないと感じていました。もっとしっかりしたものを戦略的に打ち出した方がいいんじゃないかと。そこからおもてなしについて真剣に考えるようになって、行き着いたのが千利休の朝顔の茶会です」
 千利休が豊臣秀吉のために行った朝顔の茶会。庭の朝顔が見事に咲いて満開になったと秀吉を誘うが、全て刈り取ってしまい、茶室に一輪のみ飾ったという話である。「こだわりを恐れることなく伝えることが、真のおもてなしにつながるということです。お客様のニーズだけに注力していたのでは、どこも同じになってしまう。そこからの差別化として、こだわりを強烈に出すことにしたのです。それは、日本旅館のサービスに合っていますし、おもてなしの定義にできると考えました」
 2005年に開業した「星のや 軽井沢」では、客室にテレビを置くことをやめた。その滞在で提供できるのは非日常的な空間や時間であるため、テレビは必要ないと考えたのだ。それに対して顧客からのクレームがなかったわけではないが、結果的には良かったと星野氏は言う。
「私どものこだわりこそが滞在していただく価値になる。そして、そのこだわりは、現地のスタッフがそれぞれの地域性を理解し、地域自慢を見つけ提案することができるのです」

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