
大屋書房の3代目・纐纈公夫氏と4代目・くり氏。江戸時代の生活や文化、人々の息吹を感じさせる、こだわりのある古書を収集する“ 父娘鷹”(おやこだか)だ。
大屋書房
あと二つ、特色ある古書店を紹介する。一つは大屋書房。江戸時代に出版された和本、浮世絵、古地図でびっしり埋め尽くされた棚に、1882(明治15)年創業の底力を感じる。
「こういった類いの和本を扱っていると、現代、便利に使われている物や技術は全て、原理的なものも含めて江戸時代に始まっているんだなとつくづく感じます。例えばアスベストは、江戸中期に平賀源内が発明した石綿という絶縁体がルーツで、発明自体はすばらしいものでした。また団扇(うちわ)をたくさんくっつけて手で回す扇風機のようなものや、盥(たらい)に水を張って波を起こす洗濯機みたいなものもありました。北斎なんかは天文学の発達を彷彿とする絵を描いていますしね。私は江戸時代の書物にそういった歴史的意義と面白さを感じて集めてきたんです」
「こういった類いの和本を扱っていると、現代、便利に使われている物や技術は全て、原理的なものも含めて江戸時代に始まっているんだなとつくづく感じます。例えばアスベストは、江戸中期に平賀源内が発明した石綿という絶縁体がルーツで、発明自体はすばらしいものでした。また団扇(うちわ)をたくさんくっつけて手で回す扇風機のようなものや、盥(たらい)に水を張って波を起こす洗濯機みたいなものもありました。北斎なんかは天文学の発達を彷彿とする絵を描いていますしね。私は江戸時代の書物にそういった歴史的意義と面白さを感じて集めてきたんです」