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武雄市図書館
本に囲まれた雰囲気を演出した空間。近すぎると圧迫感があり、遠すぎると本との融合感が出ないため、本と座席の距離感を程よく保たれるよう設定した。
長居せずにはいられない
市の図書館に、蔦屋書店があり、スターバックスがある――。例えば、図書館で借りた本を、スターバックスでコーヒーを飲みながら読む。
 読んでいて気になった情報を、蔦屋書店で雑誌の新刊を買ってチェックし、ついでに見たかった映画のDVDをレンタルする。佐賀県の武雄市図書館は、こんなフレキシブルな使い方ができる、従来の「図書館」の概念を超えた図書館だ。天井が高く、明るい自然光が降り注ぐガラス張りのモダンな建築。本の森の中を、木立を縫って歩くようなつくりでありながら、通路が広く開放感がある。カフェのBGMや人の声の心地良い雑音の中で読書や作業ができる一方、図書館の奥に入るほど無音になるよう工夫されているため、調べものや勉強をすることも可能だ。
「私が好きなのは、2階キャットウォークのカウンター席。吹き抜けから図書館全体を見回すことができ、電源も完備しているので、パソコンを持ち込んでのノマドワークに最適。もちろん、スターバックスのコーヒーも持ち込めます」と、図書館カンパニーの櫻澤圭一さん。ライフスタイルに合わせた多様なニーズに応えてくれる、懐の深い図書館だ。
 温泉街として知られる武雄市の図書館がリニューアルオープンしたのは2013年4月のこと。「市民生活を豊かにする図書館」をコンセプトに、図書館=“本を借りる場所"から、居心地の良い滞在型の空間へと価値を転換することを目指し、ラウンジやカフェを併設した「代官山蔦屋書店」が好評の民間企業、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)とともに企画。運営をCCCに委託して、これまでにないオリジナルの図書館を実現させた。
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