実際、このところの米株価はすこぶる好調な値動きを示している。執筆時のNYダウならびにS&P500種株価指数(S&P500)は連日のように史上最高値を更新しており、この水準で年末を迎えれば年間としては過去10年で最高の上昇となる。もちろん、年末までに一段の上昇を見る可能性もあろう。当然、後々になって確実に表れる「株高の資産効果」は米国の消費をかさ上げし、ひいては景気回復の原動力の一つとして大いに貢献することであろう。
一方、執筆時の日本の株価動向は米国に比べれば大きく見劣りしている。その要因の一つは季節的なもので、秋は外国人投資家の“都合"によって、どうしても日本株が売られやすい。いまや外国人投資家は東京証券取引所の売買シェアの約6割を占めており、相場の行方を大きく左右する。11月には多くの海外ヘッジファンドが決算を迎え、12月には多くの海外ペンション・ファンド(年金基金)が決算を迎える。彼らが保有する日本株のポジションが十分な利益を生み出していることは想像に難くなく、決算に向けては益出しに伴う日本株の売りが出やすい。ただし、彼らがいったん決算を終えてから、また新たにポジションを組み直すということも忘れてはならない。つまり、決算終了後に彼らが再び日本株に大口の買いを入れてくる可能性は十分に高いということである。
日本株は今年の5月下旬から長らく調整局面のなかにある。だからといって、明日を悲観するのは間違いであろう。むしろ、アベノミクス相場の「第2幕」がスタートするときは近いと考え、伴う株高と景気回復の流れに乗り遅れないよう、今のうちから様々な戦略を練っておくべきではないだろうか。
一方、執筆時の日本の株価動向は米国に比べれば大きく見劣りしている。その要因の一つは季節的なもので、秋は外国人投資家の“都合"によって、どうしても日本株が売られやすい。いまや外国人投資家は東京証券取引所の売買シェアの約6割を占めており、相場の行方を大きく左右する。11月には多くの海外ヘッジファンドが決算を迎え、12月には多くの海外ペンション・ファンド(年金基金)が決算を迎える。彼らが保有する日本株のポジションが十分な利益を生み出していることは想像に難くなく、決算に向けては益出しに伴う日本株の売りが出やすい。ただし、彼らがいったん決算を終えてから、また新たにポジションを組み直すということも忘れてはならない。つまり、決算終了後に彼らが再び日本株に大口の買いを入れてくる可能性は十分に高いということである。
日本株は今年の5月下旬から長らく調整局面のなかにある。だからといって、明日を悲観するのは間違いであろう。むしろ、アベノミクス相場の「第2幕」がスタートするときは近いと考え、伴う株高と景気回復の流れに乗り遅れないよう、今のうちから様々な戦略を練っておくべきではないだろうか。

(左)田嶋智太郎(たじま・ともたろう) 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。 http://www.e-minamiaoyama.com/
(右)◆THIS MONTH RECOMMEND
2010年代にもバブルはやってくる?
世界と日本のバブルの歴史を実に適切に分析し、危機の中で次のバブルの芽が生まれることや、バブルの発生と崩壊を防ぐことは困難であることに注目。そのうえで、中期的な米国経済とドルの復活を予想し、日本企業のグローバル化と時価会計化の進行によって円安との連動性が一層高まっている日本株の今後の上昇を見込む。企業の財務担当者、投資家、政治家はもちろん、広く政治・経済に関心を抱く人々にとって必携の一冊である。
『バブルは10年に一度やってくる』 (藤田勉著/東洋経済新報社/1,890円)
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