
エドヴァルド・ムンク 《冬の夜》 1900年
©2014 Kunsthaus Zürich. All rights reserved.
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100年間で集められた世界の名作
ポスト印象派の部屋では、ゴッホ《サント=マリーの白い小屋》、ゴーギャン《花と偶像のある静物画》、セザンヌ《サント=ヴィクトワール山》などの名作とともに、アンリ・ルソー《X氏の肖像(ピエール・ロティ)》に注目したい。
アンリ・ルソーはパリの入市税徴収官を務め、40歳を過ぎてから本格的な絵画制作を始めた人物。生前は、稚拙に見える画風を酷評されたが、のちにキュビスムやシュルレアリスムの画家たちに見いだされ、評価を高めた。ルソーの人物画は必ずしもモデルに似せているわけではなく、創造力豊かな彼の世界観の中で描かれたものである。この作品のモデルとされるピエール・ロティは日本についての作品も残した作家だが、真のモデルはパリのジャーナリストであるとの説もあり、真相は謎に包まれたままだ。
ナビ派の部屋では、スイス・ローザンヌ出身の画家、フェリックス・ヴァロットンの作品が充実。作家の故郷、スイスのアルプスを描いた《アルプス高地、氷河、冠雪の峰々》は、見る者の心を捉える静謐な自然の迫力に満ちている。《叫び》で有名なノルウェーの画家、ムンクの部屋に展示される風景画の《冬の夜》は、常に死の不安にさいなまれ、アルコール依存症にも苦しめられたムンクの、まさに「魂の絵画」と呼べる1枚。ムンクに影響を受けたマックス・ベックマンやエルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーら、ドイツ表現主義の作家たちも紹介されている。
オーストリアの画家、オスカー・ココシュカの部屋では、《プットーとウサギのいる静物画》などを展示。作曲家グスタフ・マーラーの妻であったアルマ・マーラーとの恋が破綻し、不安に満ちた精神状態が、うねるようなタッチと暗い色彩で表現された。
フォーヴィスムとキュビスムでは、ピカソやマティス、ジョルジュ・ブラックなどの作品を抜粋。ピカソの《大きな裸婦》は、彼の後半生を支えた2番目の妻であるジャクリーヌがモデルを務めたものだ。ピカソはジャクリーヌの肖像を70点以上も描き、自身の女性像の象徴とした。
アンリ・ルソーはパリの入市税徴収官を務め、40歳を過ぎてから本格的な絵画制作を始めた人物。生前は、稚拙に見える画風を酷評されたが、のちにキュビスムやシュルレアリスムの画家たちに見いだされ、評価を高めた。ルソーの人物画は必ずしもモデルに似せているわけではなく、創造力豊かな彼の世界観の中で描かれたものである。この作品のモデルとされるピエール・ロティは日本についての作品も残した作家だが、真のモデルはパリのジャーナリストであるとの説もあり、真相は謎に包まれたままだ。
ナビ派の部屋では、スイス・ローザンヌ出身の画家、フェリックス・ヴァロットンの作品が充実。作家の故郷、スイスのアルプスを描いた《アルプス高地、氷河、冠雪の峰々》は、見る者の心を捉える静謐な自然の迫力に満ちている。《叫び》で有名なノルウェーの画家、ムンクの部屋に展示される風景画の《冬の夜》は、常に死の不安にさいなまれ、アルコール依存症にも苦しめられたムンクの、まさに「魂の絵画」と呼べる1枚。ムンクに影響を受けたマックス・ベックマンやエルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーら、ドイツ表現主義の作家たちも紹介されている。
オーストリアの画家、オスカー・ココシュカの部屋では、《プットーとウサギのいる静物画》などを展示。作曲家グスタフ・マーラーの妻であったアルマ・マーラーとの恋が破綻し、不安に満ちた精神状態が、うねるようなタッチと暗い色彩で表現された。
フォーヴィスムとキュビスムでは、ピカソやマティス、ジョルジュ・ブラックなどの作品を抜粋。ピカソの《大きな裸婦》は、彼の後半生を支えた2番目の妻であるジャクリーヌがモデルを務めたものだ。ピカソはジャクリーヌの肖像を70点以上も描き、自身の女性像の象徴とした。