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海と陸路に渦巻く男のロマン
 有史以前から、海の男たちにこよなく愛されてきた港――モナコが擁するヨットハーバーは、今なお自然の手で創られた「天然の魅力」に満ちている。
 それを守ったのは、誰よりも海に情熱を注いだアルベール1世である。彼は完璧なまでの地中海保護条例をつくり、現在の海洋無公害システムの基礎を築いた。そんな大公の熱く高貴な血潮が、モナコのマリンスポーツ界の底流には沈潜している。「海の尊厳に対する敬意」とでも言おうか。マリンスポーツを楽しむ前提にあるそのスピリットが、海の男たちのハートに響くのだろう。だから、世界のヨットマンたちは、モナコを目指すのである。
 ヨットクラブの中でも、とりわけ「ヨット・クラブ・ド・モナコ」は名門として知られる。創立は1862年。レガッタ競技からスタートしたクラブである。会員になるためには、メンバー2人の紹介状が必要で、その後の審査を経て、晴れてクラブに仲間入りできるシステムだ。ハードルの高いことこそが、選ばれたヨットマンたる証と言えよう。
 広大な敷地に建つクラブハウスは、中がまるで船舶のキャビンのよう。広々としたロビーや、一流の味を供するレストランなどを備えている。テラスのすぐ先がハーバー。大型船舶やヨットの白い船体が整然と並ぶ様は、うっとりするほど優雅で美しい。昼間は陽光に輝き、夜は船内で開かれるパーティの灯りが海面に光の輪をつくり、モナコならではの景観を織り成す。
 ここにいると、航海に繰り出したり、ダイビングを楽しんだりすることだけではなく、港のバーで潮風に吹かれながらグラスを傾けること、停泊する船で夜な夜なパーティに興じることまでがマリンスポーツのように思えてくる。
(上)様々な船籍の客船。整然と並ぶヨットも日中は主とともに海へ。
(下)「ヨット・クラブ・ド・モナコ」のテラスで。
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