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ジーヴォシグマの立ち上げから関わっている、大和ハウス工業 住宅事業推進部 商品開発統括部長の有吉善則氏。「まず30年間変わっていない工法を見直した」
東京大学と大和ハウス工業との関わりは、2006年にさかのぼる。当時の東京大学の小宮山宏総長が中心となり、課題視されていた高齢社会やエネルギー問題に対応するために、より学際的に知の構造化を図るべきだと提唱した。大和ハウス工業は、自社のシルバーエイジ研究所や総合技術研究所で独自の研究を続けていたこともあり、東大から依頼を受け、3年にわたり「ジェロントロジー寄付研究部門」を支援するために寄付をしたことに始まる。
「ダイワハウスの考え方に『アスフカケツノ』があります。語呂合わせになっていて、『ア』は安心・安全、『ス』はスピード・ストック、『フ』が福祉、『カ』が環境、『ケ』は健康、『ツ』が通信、『ノ』が農業(食の安心)です。これらを、この先の時代に欠かせないものとしているのですが、中でも『ツ』の通信は全てをつなぐ横串のような存在。例えば、家の壁にモニターを仕込ませて、遠くに住んでいる親世代と子世代の部屋を画像でつなぐ。こういうことが、安心につながりますよね。環境を守るためのエネルギーの“見える化"にも、ネットワークが不可欠です」
 研究館は、学生だけでなく教授や研究者なども利用し、研究活動に生かされる。今回の寄贈には、民と学との関係を強めるという意義のほかに、大和ハウス工業の創業者・石橋信夫氏が重きを置いた、人材育成につながることも背景にある。
「研究者は、どこまでできるかということを考えます。一方、我々企業は生活者に近いところにいる者として、その中から何をすべきかを判断します。我々としても、自社で研究したことを世間に還元する場となりますし、ここで学んだ人たちが一人でもダイワハウスに来てくれればそれは素晴らしいこと。東大とはこれからも連携して、住宅の未来につなげていきたいと考えています」

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