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プレジャーボートを駆ってもよし、豪華客船のデッキに身をゆだねてもよし。“La mer comme la mère~母なる海”と番(つが)うことで五感は原始の記憶へと胎内回帰を始める。
ガストロノミーと同様、アドリア海という地の恵みを活かし急成長しているのがヨットを代表とするマリンスポーツだ。隣の郡の町のスプリトにおいて2000年に開催されたISAF(国際セーリング連盟)のヨット・マッチレース世界選手権以来、国際規格に改装したドゥブロブニク・マリーナに自艇を係留する国外オーナー、とくに内陸国のスイスやオーストリアのオーナーが飛躍的に増加した。割安な自艇の維持管理にくわえて、飛行機で2時間たらずという隣町感覚が人気の理由だ。ドゥブロブニク、そしてアドリア海は、自国で高嶺の花とされていた夢をかなえる約束の地でもある。

地中海という文化の海原へ

 日本ではまだあまり馴染みがないリゾート・リュクスの筆頭としてあげられるのが、豪華客船を駆ってのクルーズだろう。地中海地方はカリブ海と並ぶクルージングの本場である。どこまでも凪いだ水面とミストラルに吹かれながら過ごすたおやかな時間が、リゾート本来の喜びを改めて喚起するに違いない。船上で催されるパーティーの夜があけ、船が寄港するのは、沿岸を縁取るいにしえからの麗都。21世紀を迎えるまで、アドリア海のクルージングは政情に起因する航行の不安定要素から、イタリア側の西岸に沿ったルートに限定されてきた。旧ユーゴ情勢の正常化によって冷戦以前のラグジュアリーが復活した形だ。近年では、黒海やエーゲ海からアドリア海へと至る、大型のクルージングルートが人気を博している。また日本から直行便のないクロアチア本土まで赴かなくとも、ジェノヴァやニースといった地中海沿岸の都市から乗船できるのが大きな魅力である。
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