

BASELWORLD 2016
進化する時のかたち
進化する時のかたち
Photo Danny Danks(digni) Text Yasushi Matsuami( P1-2), Maki Kimura(P3-8)
バーゼルワールド2016が、3月17日から24日の8日間にわたり開催された。主催者発表によれば、今年の来場者数は14万5000人。昨年の15万人を3%ほど下回った。
1月にジュネーブで開催されたSIHHでも感じられたことだが、中国経済の減速、原油安から広がる世界経済の不透明感、また各地でのテロ事件の発生などが、ウオッチシーンにも漠然とした不安を投げかけているようだった。しかし、そんなムードを払拭するかのような、括目すべき新作や、センセーショナルな話題が、今年もバーゼルをにぎわせた。
今年の傾向の一つに「アクセシブル化の進行」が挙げられる。これまで、ケースにゴールドやプラチナなどの素材を使ったモデルに、ステンレススチールを採用したり、ムーブメントの仕上げを簡素化するなどして価格を抑え、カスタマーの裾野を広げようという動きが目立った。これには、やはり経済的な背景が関与していると見るべきだろう。
トゥールビヨン搭載モデルでも「アクセシブル化」が進んできた。かつてトゥールビヨンは1000万円が一つの目安と言われたが、今年タグ・ホイヤーから、自社製のフライング・トゥールビヨン搭載クロノグラフが、何とアンダー200万円で発表され、“価格破壊トゥールビヨン"と注目を集めた。
「現代の技術の進歩をもってすれば、トゥールビヨンも量産可能」
LVMHウォッチ・デヴィジョン・プレジデントとして、ウブロ、ゼニス、タグ・ホイヤーの3ブランドを統括するジャン-クロード・ビバー氏の意向が反映されているようだが、今後“工業製品"トゥールビヨンと、“工芸品"トゥールビヨンとの二極化が進むかもしれない。
1月にジュネーブで開催されたSIHHでも感じられたことだが、中国経済の減速、原油安から広がる世界経済の不透明感、また各地でのテロ事件の発生などが、ウオッチシーンにも漠然とした不安を投げかけているようだった。しかし、そんなムードを払拭するかのような、括目すべき新作や、センセーショナルな話題が、今年もバーゼルをにぎわせた。
今年の傾向の一つに「アクセシブル化の進行」が挙げられる。これまで、ケースにゴールドやプラチナなどの素材を使ったモデルに、ステンレススチールを採用したり、ムーブメントの仕上げを簡素化するなどして価格を抑え、カスタマーの裾野を広げようという動きが目立った。これには、やはり経済的な背景が関与していると見るべきだろう。
トゥールビヨン搭載モデルでも「アクセシブル化」が進んできた。かつてトゥールビヨンは1000万円が一つの目安と言われたが、今年タグ・ホイヤーから、自社製のフライング・トゥールビヨン搭載クロノグラフが、何とアンダー200万円で発表され、“価格破壊トゥールビヨン"と注目を集めた。
「現代の技術の進歩をもってすれば、トゥールビヨンも量産可能」
LVMHウォッチ・デヴィジョン・プレジデントとして、ウブロ、ゼニス、タグ・ホイヤーの3ブランドを統括するジャン-クロード・ビバー氏の意向が反映されているようだが、今後“工業製品"トゥールビヨンと、“工芸品"トゥールビヨンとの二極化が進むかもしれない。