
黒蝶真珠を輸出するには、首都パペーテにあるこの検査場での品質チェックに合格しなければならない。
タヒチで黒蝶貝の真珠養殖の礎を築いたのは、日本の真珠養殖技術者・室井忠六さんである。
「文化や地形の異なる 118 の島からなるタヒチは、黒蝶真珠を育むラグーンもまた実に多様。これが、個性ある豊富な色合いを持つ黒蝶真珠を生み出す要因といわれています。この自然の力を生かして、50 年前、黒蝶貝の真珠養殖を見事に成功させた室井さんには、本当に感謝しています。これからも、奥深い黒蝶真珠の魅力を、タヒチの文化、風土、自然とともに、世界に向けて発信してゆきたい。今後は生産量ではなく、世界に誇れる“本物の品質"を重視してゆく方針です」
かつて、タヒチ随一の黒蝶真珠の養殖地であったボラボラ島の出身であり、市長も兼務するトン・サン大統領は、最後に、島に伝わる“黒い真珠"の神話を教えてくれた。
――昔、ポリネシアの平和と豊穣の神オロが、虹を渡って下界に降り、ボラボラの美しい王女に黒蝶貝を贈った。その貝に珊瑚と砂の精がポリネシアの熱帯魚の多彩な色合いを捧げたため、そこに宿る真珠は神秘的な色合いを放つ――。
つい 50 年前までは、神話でしかなかった“黒い真珠"。その黒蝶真珠が、人の手で生み出されるようになり、タヒチ経済を支える産業にまで発展を遂げた。
この物語もまた、古代ポリネシアの神話と同様、伝説として語り継がれるであろう。
「文化や地形の異なる 118 の島からなるタヒチは、黒蝶真珠を育むラグーンもまた実に多様。これが、個性ある豊富な色合いを持つ黒蝶真珠を生み出す要因といわれています。この自然の力を生かして、50 年前、黒蝶貝の真珠養殖を見事に成功させた室井さんには、本当に感謝しています。これからも、奥深い黒蝶真珠の魅力を、タヒチの文化、風土、自然とともに、世界に向けて発信してゆきたい。今後は生産量ではなく、世界に誇れる“本物の品質"を重視してゆく方針です」
かつて、タヒチ随一の黒蝶真珠の養殖地であったボラボラ島の出身であり、市長も兼務するトン・サン大統領は、最後に、島に伝わる“黒い真珠"の神話を教えてくれた。
――昔、ポリネシアの平和と豊穣の神オロが、虹を渡って下界に降り、ボラボラの美しい王女に黒蝶貝を贈った。その貝に珊瑚と砂の精がポリネシアの熱帯魚の多彩な色合いを捧げたため、そこに宿る真珠は神秘的な色合いを放つ――。
つい 50 年前までは、神話でしかなかった“黒い真珠"。その黒蝶真珠が、人の手で生み出されるようになり、タヒチ経済を支える産業にまで発展を遂げた。
この物語もまた、古代ポリネシアの神話と同様、伝説として語り継がれるであろう。
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