
約 19 万個と言われるフィンランドの湖。澄み切った水をたたえた湖沼は、有史以来この大地で人々と自然が共生してきた象徴だ。

ここにマニュファクチャーのスピリッツがある HONKA
Photo & Text Shun Kambe
世界で最もエコロジカルだと言われるフィンランドの生活環境。その舞台となる住まいが我々に投げかける示唆は小さくない。ホンカが伝える住まいには、森と湖水に抱かれた大地のソウルが凝縮されている。
1950 年代、フィンランド東部リエクサでサーレライネン 5 兄弟が始めたログハウス建築によってホンカの歴史は緒に就いた。この時代以降、フィンランドでも戦後のベビーブームと生活環境の都市化が、居住という概念に大きな変化をもたらした。そしてそれに伴った時代のニーズを住宅に反映させてきたことが、現在に見る業界リーダーとしてのホンカの沿革となっている。しかし一方で、ホンカは 1000 年以上におよぶログハウスの歴史に立脚した住宅供給の哲学を強調する。