
リオネル・ベカ
1976年フランス・コルシカ島生まれ。20歳を過ぎてから料理の世界へ。1997年からミッシェル・トロワグロのブラッスリー「ル・サントラル」で働き、「ギィ・ラソゼ」「ペトロシアン」を経て、2002年から「メゾン・トロワグロ」でセカンドシェフを務める。2006年に来日。「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」でエグゼクティブシェフを務め、2012年にエスキスのシェフ・エグゼクティブに就任。2012年に『ミシュランガイド東京』で二つ星を獲得。
1976年フランス・コルシカ島生まれ。20歳を過ぎてから料理の世界へ。1997年からミッシェル・トロワグロのブラッスリー「ル・サントラル」で働き、「ギィ・ラソゼ」「ペトロシアン」を経て、2002年から「メゾン・トロワグロ」でセカンドシェフを務める。2006年に来日。「キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ」でエグゼクティブシェフを務め、2012年にエスキスのシェフ・エグゼクティブに就任。2012年に『ミシュランガイド東京』で二つ星を獲得。


野鳥たちは森の中に落ちているジュニパーベリーが大好物。乾燥させて香辛料として使われる、黒紫色のこの小さな丸い実には独特の香りがあり、鮎との相性もいい。
「炭火で焼いた鮎の塩焼きを頭からかぶりついて、尻尾まで食べ尽くしたある時、『ん? これは何かに似てる』と思ったんです。何だろう、何だろうと考えて、『そうだ、グリーブ(つぐみ)だ』と。特に頭をかじった時のバリバリ感は鮎そのものです。
フランスでは小さな野鳥を丸ごとローストして、頭からくちばし、手羽、脚、内臓まで全部食べます。いわゆるジビエですね。それで、グリーブに使う香辛料のジュニパーベリー(ねずの実)が、鮎にも合うんじゃないかと思ったんです。
当たり、でした。ジュニパーベリーとジン、それに柔らかさを出すためにバターも入れてミキサーにかけ、ペースト状にしたものを稚鮎のおなかに詰めて、さらに表面にもジュニパーベリーのパウダーをまぶし、トウモロコシにミルクを加えた衣を付けて揚げたところ、おいしいフリットに仕上がりました。店ではアミューズ・ブーシュとして出していて、頭からかじると、サクサクとした衣の下から肝とジュニパーベリーの素晴らしい調和が楽しめます。辛口のシャンパンに合います。今回は泳いでる姿を表現したかったので、“川仕立ての大皿"にしましたが、普段は小皿で出しています。稚鮎の上に、小さなレーズンと紫タマネギをマリネにした甘酸っぱい付け合わせを載せて」
川の藻ではなく、森の木の実を“食べた"鮎のうまさがまた格別! リオネルが言うように、「鮎とグリーブに同じDNA」を感じた。
「初めて鮎の塩焼きを食べたのは、日本に来てまだ間もない頃でした。お祭りで食べたその鮎はすごくおいしかったわけではなかったけれど、その後、神楽坂の『石かわ』で頂いた鮎は本当においしかった。『もう死んでもいい』と思ったくらいです」
●ESqUISSE
東京都中央区銀座5-4-6 ロイヤルクリスタル銀座 9F
TEL03-5537-5580 http://www.esquissetokyo.com
フランスでは小さな野鳥を丸ごとローストして、頭からくちばし、手羽、脚、内臓まで全部食べます。いわゆるジビエですね。それで、グリーブに使う香辛料のジュニパーベリー(ねずの実)が、鮎にも合うんじゃないかと思ったんです。
当たり、でした。ジュニパーベリーとジン、それに柔らかさを出すためにバターも入れてミキサーにかけ、ペースト状にしたものを稚鮎のおなかに詰めて、さらに表面にもジュニパーベリーのパウダーをまぶし、トウモロコシにミルクを加えた衣を付けて揚げたところ、おいしいフリットに仕上がりました。店ではアミューズ・ブーシュとして出していて、頭からかじると、サクサクとした衣の下から肝とジュニパーベリーの素晴らしい調和が楽しめます。辛口のシャンパンに合います。今回は泳いでる姿を表現したかったので、“川仕立ての大皿"にしましたが、普段は小皿で出しています。稚鮎の上に、小さなレーズンと紫タマネギをマリネにした甘酸っぱい付け合わせを載せて」
川の藻ではなく、森の木の実を“食べた"鮎のうまさがまた格別! リオネルが言うように、「鮎とグリーブに同じDNA」を感じた。
「初めて鮎の塩焼きを食べたのは、日本に来てまだ間もない頃でした。お祭りで食べたその鮎はすごくおいしかったわけではなかったけれど、その後、神楽坂の『石かわ』で頂いた鮎は本当においしかった。『もう死んでもいい』と思ったくらいです」
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