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鮎のクルスティアン 焼ナスピュレと共にキュウリとショウガのアクセントで
塩焼きからスクラップ&ビルドされた「鮎のクルスティアン 焼ナスピュレと共にキュウリとショウガのアクセントで」はフレンチの装いも美しい。この鮎は、和歌山・紀ノ川の天然仕立て。脂が乗っていて、身の味がしっかりしているという。
鮎が衣をまとう時
Restaurant Ryuzu 飯塚隆太
フレンチに鮎料理はない。というより鮎はフランスにいないし、魚を内臓まで一緒に食べるという概念もない。だから「鮎」という“お題"を受けて、飯塚隆太は悩みに悩んだ。
 「炭火で焼いた鮎の塩焼きには絶対に勝てない……勝ち負けじゃないんですけど、それ以上のおいしさを表現するのはムリだな、というのが頭にありました。でも受けた以上、やるしかないと腹をくくりましたよ。
 実はちょっと龍吟さんに相談したら、『他の魚で代用できる料理なら、やらない方がいい』と言われて。確かにエスカベッシュやマリネとか、やろうと思えばフレンチでできそうな料理はありますけど、それでは意味がないなぁと思いました。それでまず、鮎の塩焼きの良さはどこだろうと考えて。やっぱりふっくらした繊細な身質とお腹の苦み、香ばしさ、それに頭のカリカリ感、尻尾のサクサク感ですよね。だから鮎を表現する時、それ以外の余分なものは要らないと思いました」
 その後、飯塚は普通に焼いてコンフィにするとか、試作をしては「ダメだな」を繰り返し、ブリック生地を巻いてサクサクに仕上げることを考えついた。そして「何より真ん中の苦いところを食べた時に『あ、鮎だ』という感動を大事にしよう」とたどり着いたのが、この料理だった。
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