





1. 両脇にタウンハウス風のレストランが多く連なる旧市街。
2. ヴィンタートゥール駅正面。チューリヒまで約20分という利便性を誇る。
3. ソーホーをイメージし、産業ビルがトレンディーなフラットに生まれ変わる。
4. 天井が高く荘厳な教会では街の人々が祈りを捧げる。
5. ポール・ゼンダーが描いた青いフレスコ画が印象的。
6. 日が差し込むごとにきらめくステンドグラス。
2. ヴィンタートゥール駅正面。チューリヒまで約20分という利便性を誇る。
3. ソーホーをイメージし、産業ビルがトレンディーなフラットに生まれ変わる。
4. 天井が高く荘厳な教会では街の人々が祈りを捧げる。
5. ポール・ゼンダーが描いた青いフレスコ画が印象的。
6. 日が差し込むごとにきらめくステンドグラス。
今なお受け継がれる資産家が咲かせた芸術の都
チューリヒから北東へ電車で揺られること約20 分。人口約10 万人が住む、スイス第6 の都市・ヴィンタートゥールにたどり着く。現在はハイテク産業やサービス業が主だが、19 世紀にはチューリヒと並ぶ経済の中心地として機械工業や銀行などの産業が発展し、中世からキーブルク、ハプスブルク家の重要な拠点として栄えた。
歴史の面影が随所に残る旧市街の目抜き通り、マルクトガッセにはレストランが数多く軒を連ね、メーンストリートから少し外れた広場は、新鮮な果物や野菜がそろう朝市に訪れる地元の人でにぎわう。
街のランドマークともいえるのが、空高くそびえ立つ二つの塔が印象的なヴィンタートゥール教会。一歩足を踏み入れると、ベルンの画家、ポール・ゼンダーが描いたフレスコ画が迎えてくれる。日の光にきらめくステンドグラスが実に美しい。
旧市街から駅を挟んで少し行くと、新市街である工業地帯で進行するリノベーションが目を引く。以前は産業ビルだった建物がアーバンでモダンなフラットに改築され、新興の企業家やクリエーターが住まうソーホーのようなエリアへと変貌を遂げている。新旧がうまく重なりあっているのもこの街の魅力だ。
ヴィンタートゥールで最も注目すべきは19 世紀、資産家たちが集めた数多くの美術作品を収めた美術館群だろう。ファン・ゴッホやルノワール、ピカソといった巨匠に加え、ホドラーやジャコメッティといった近代美術までを幅広く収蔵している。当時、紡績業や工業、貿易業で財を成した資産家たちが自身の富の繁栄だけでなく、音楽家のパトロンや絵画の収集家としてアートや文化を支援。後に自身のコレクションを財団や市に寄贈した。中でも、綿とコーヒーの貿易で財を成した、オスカー・ラインハルトの活躍は特筆に値するだろう。生涯を通して熱心にアート収集に励み、その偉業は二つの美術館に彼の名前が冠されるほどである。
歴史の面影が随所に残る旧市街の目抜き通り、マルクトガッセにはレストランが数多く軒を連ね、メーンストリートから少し外れた広場は、新鮮な果物や野菜がそろう朝市に訪れる地元の人でにぎわう。
街のランドマークともいえるのが、空高くそびえ立つ二つの塔が印象的なヴィンタートゥール教会。一歩足を踏み入れると、ベルンの画家、ポール・ゼンダーが描いたフレスコ画が迎えてくれる。日の光にきらめくステンドグラスが実に美しい。
旧市街から駅を挟んで少し行くと、新市街である工業地帯で進行するリノベーションが目を引く。以前は産業ビルだった建物がアーバンでモダンなフラットに改築され、新興の企業家やクリエーターが住まうソーホーのようなエリアへと変貌を遂げている。新旧がうまく重なりあっているのもこの街の魅力だ。
ヴィンタートゥールで最も注目すべきは19 世紀、資産家たちが集めた数多くの美術作品を収めた美術館群だろう。ファン・ゴッホやルノワール、ピカソといった巨匠に加え、ホドラーやジャコメッティといった近代美術までを幅広く収蔵している。当時、紡績業や工業、貿易業で財を成した資産家たちが自身の富の繁栄だけでなく、音楽家のパトロンや絵画の収集家としてアートや文化を支援。後に自身のコレクションを財団や市に寄贈した。中でも、綿とコーヒーの貿易で財を成した、オスカー・ラインハルトの活躍は特筆に値するだろう。生涯を通して熱心にアート収集に励み、その偉業は二つの美術館に彼の名前が冠されるほどである。