
書家 紫舟(ししゅー)
日本の伝統的な書を意志を表現するアートとして、世界に発信。文字に内包される表情や感情を書で引き出し、書画・メディアアート・彫刻へと昇華させながら、独自の世界を創造している。
www.e-sisyu.com/
日本の伝統的な書を意志を表現するアートとして、世界に発信。文字に内包される表情や感情を書で引き出し、書画・メディアアート・彫刻へと昇華させながら、独自の世界を創造している。
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思想するCOOL JAPAN ―― 縁
Photo TONY TANIUCHI Text Junko Chiba
日本文化の源流を、おもてなしと書に求めたとき、クールジャパンの一つの形が浮かび上がってくるのではないか。
その仮説の下、文字に「意思」を吹き込むという表現手法を通して、日本の伝統的な書を世界に発信する書家、紫舟さんに、「文化的おもてなし論」をうかがった。
その仮説の下、文字に「意思」を吹き込むという表現手法を通して、日本の伝統的な書を世界に発信する書家、紫舟さんに、「文化的おもてなし論」をうかがった。
「日本人はテレパシーが使えると思う」と紫舟さん。どういうことか。「こうして欲しいと口に出さなくても、その思いをテレパシーで察してやってあげることができますよね、日本人なら誰でも。島国で皆が仲良く暮らしていくために、おもてなしを追求した結果、テレパシーが使えるように進化したのではないかと思うんです。いろんな生物が環境に適応しながら進化してきたようにね」
そんな新手の進化論を展開する紫舟さんは、少し前に印象的な“おもてなし体験"をしたという。それは、武者小路千家の千宗屋さんにお茶席に招かれた時のことだ。
「何より驚嘆したのは、私の大好きな大山蓮華という大変希少な花を一輪生けてくださったことです。以前、奈良の門跡寺院にある華道、山村御流で茶花の生け花を習っていた時に、白玉椿を尖とがらせたような無垢で汚れを知らない蕾の形と、花開く時に放つ妖艶な香りに魅せられました。それをどこでお知りになったのか、お茶を頂く1、2時間のことに、茶人は一人の客を遇するのに何日もの時間を費やし、ここまでの心遣いをされるんですね。リラックスし心くつろぐ至福の時を過ごせました」
そんな新手の進化論を展開する紫舟さんは、少し前に印象的な“おもてなし体験"をしたという。それは、武者小路千家の千宗屋さんにお茶席に招かれた時のことだ。
「何より驚嘆したのは、私の大好きな大山蓮華という大変希少な花を一輪生けてくださったことです。以前、奈良の門跡寺院にある華道、山村御流で茶花の生け花を習っていた時に、白玉椿を尖とがらせたような無垢で汚れを知らない蕾の形と、花開く時に放つ妖艶な香りに魅せられました。それをどこでお知りになったのか、お茶を頂く1、2時間のことに、茶人は一人の客を遇するのに何日もの時間を費やし、ここまでの心遣いをされるんですね。リラックスし心くつろぐ至福の時を過ごせました」