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函館•青春の遺伝子 vol.2
Photo Masahiro Goda Text Junko Chiba
1.元町の坂の上には教会が三つ並ぶ。カトリック元町教会の赤い屋根に付く十字架のデザイン。
2.姿見坂にある大正時代の銭湯、大黒湯。全体を洋風にしながら中央の入り口に和風の破風がある。
3.相馬商店として1916年に建てられたルネサンス式の商家建築。今も相馬株式会社として現役だ。
4.函館の旧市街地の数々の坂を横目に、路面電車が走る。車両には面白いデザインが多い。
5.啄木が通ったことでも知られる、道内最古の旧小林写真館。
6.北海道には多いしっくいの蔵。2階の窓には鉄製観音扉がある、明治末期から大正期の建築のもの。

青春の文学

 青春の文学に出合えることもまた、函館の坂道の大きな魅力である。
 一番の有名人は歌人・石川啄木だ。1907(明治40)年5月4日、故郷の岩手県渋民村を「石もて追わるるごと」に出た21歳の啄木は、単身で津軽海峡を渡った。16歳にして文学で身を立てる決意をし、詩才を評価されながらも、暮らし向きは楽にならない。函館時代の啄木は小説家を目指す一方で、函館商業会議所の臨時雇や弥生坂の弥生尋常小学校の代用教員、函館日日新聞社の遊軍記者といった職に就いた。生活は落ち着き、青柳町の新居に妻子を迎えることができ、岩崎白鯨、吉野白村、松岡蕗堂ら才能ある文学仲間にも恵まれた。
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