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(上)ケープレンジ・ナショナルパークがサル・サリスの庭。夕暮れ時、テントのウッドデッキでハンモックに揺られていると、草を食みながら散歩するカンガルーに出会う。

(下)上質のリネンが使われたベッドと小ぶりのテーブル、奥にバスルームを備えるサル・サリスのゲストテント。風の音に包まれ、日の出と共に目覚める日々があった。
大自然の極みに浸る、
パーフェクト ウィルダネス
 いまだかつて体験したことのない大自然の洗礼を受けるべく、オーストラリアの西端となるケープレンジ・ナショナルパークを訪れた。この国に特有のアウトバックと呼ばれる赤い土の砂漠地帯と、インド洋のニンガルーリーフの珊瑚礁とが隣り合わせになったこの国立公園は、エクスマウスの街からしばらくの間、荒野の風景の中をひた走ってたどり着く。パースからエクスマウスへは、今年3月にカンタス航空グループのカンタスリンクが就航しており、気軽なデスティネーションとなった。
 滞在先はサル・サリスという名の、自然の中のエコロジーシステムに基づいたテントロッジである。爽やかなスタッフ陣が、心のこもったホスピタリティで迎えてくれる。ラウンジとダイニング、厨房を含む巨大なセンターテントを中心に、ゲスト用テントが9張。敷地を区切るための一切の囲いはなく、乾いた大地の上を海からの風が縦横無尽に吹き抜ける。しつらえのすべては、一言で言ってしまえば、生きるために必要最小限のものだけだ。明かりは少しのランタンと懐中電灯。飲み水もシャワーの水も、惜しみながら使われる。
 早くもこの日の夕暮れが近づいて、サル・サリス界隈の野生動物たちが活発に動き出していた。のんびりと草をほおばるカンガルーは、自然と共生しようとする人間をおそれる様子もなく、時には驚くほどの接近も許してくれるが、お腹の袋からジョーイ(仔カンガルー)が顔を出している母親カンガルーだけは、気配を察して早々に飛び跳ねて行く。辺りが西陽のオレンジ色からくすんだ琥珀色へ、さらに紫がかった濃いブルーへと変わりゆく中で、センターテントに明かりの灯る気配はまだない。

Sal Salis
Yardie Creek Road Exmouth WA 6707
TEL+612 9571 6399
www.salsalis.com.au
ツインベッド A$730~
(上)アウトバックにゲストテントが並ぶ。ランプの明かりでいただくディナーで、シェフはカンガルーのステーキを焼いた。

(下)野生ではない飼育管理された肉は味わい深く、フルボディの赤ワインと最高のマッチングとなる。
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