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均時差表示永久カレンダー時計
グルーベル フォルセイは10年に及ぶトゥールビヨンの開発に力を傾注し、7番目の発明として、まるでコンピューターのようなメカニズムのコンプリケーションを搭載することができた。時、分、秒、日付、曜日、月、年、うるう年が、リューズの双方向の操作で簡易に調整できる。24秒で1回転の高速トゥールビヨン24、傾斜角度25°を搭載。裏面には、西暦年表示、四季、春分、夏至、秋分、冬至表示、真太陽時と現時刻の均時差を表示。パワーリザーブ72時間。防水30m。手巻き、ケース径43.5㎜、WGケース×アリゲーターストラップ、価格未定、受注により2016年以降受け渡し予定。
19世紀初頭、アブラアム=ルイ・ブレゲは、懐中時計におけるトゥールビヨンに情熱を注ぎ、時計史にその名を残した。それから約200年後の2004年、ロベール・グルーベルとステファン・フォルセイは、腕時計の最高精度を記録する「ダブルトゥールビヨン30°」を発表し、その名を時計史に刻んだ。
 2004年のバーゼルワールドのことは、11年経った今でも鮮明に覚えている。独立時計師たちの小さなブースが立ち並ぶホール5。気鋭の天才時計師たちが登場した、と紹介されて手に取ったグルーベル フォルセイの第1号作品「ダブルトゥールビヨン30°ヴィジョン」。回転速度と角度の異なる二つのトゥールビヨンケージに包まれたテンプが、引力の影響から見事なまでに解放されて、正確な時を刻む。前代未聞のコンプリケーション機構の登場に目を見張り、グルーベルとフォルセイの名前は脳裏に深く刻まれた。その後も二人の天才時計師の機械式時計への情熱と敬意は、10年で七つの発明と18のキャリバーの完成で証明される。それは、四つのトゥールビヨンを組み込んだ「クアドゥループル・トゥールビヨン」、球体で世界時計を表示する「GMT」など、次々と卓越したコンプリケーションへと姿を変え、世界中の愛好家たちに絶賛されるようになった。
 2006年には、リシュモングループが20%のマイナーホルダーとして資本参加。2009年には、ユネスコ世界遺産に登録もされている機械時計の聖地、ラ・ショー・ド・フォンに新しいアトリエを設立し、今では17名の時計師と18名のデコレーション要員を含む115名で年間約100本の作品を作り上げるまでになった。同時に、ジュネーブ時計大賞「金の針」賞、国際クロノメトリーコンクールにおける史上最高点での優勝、時計産業におけるノーベル賞とされるガイア賞などを次々と獲得。誕生からわずか10年でグルーベル フォルセイは、機械式時計の雄として不動の地位を築いたのだ。
 時計史にその名を残すことになる伝説のタイムピースが生まれるのは、標高1000m、冬は雪に閉じ込められるラ・ショー・ド・フォン。旧市街から離れたエリアには、いくつもの名門マニュファクチュールのアトリエが立ち並ぶ。中でも、グルーベル フォルセイの建物は、とりわけ目を引く。17世紀の農家をエントランスとして連なるアトリエの屋根には芝を生やし、地面から生えてきたかのように、自然に溶け込んでいる。また2層のガラス窓による光と風が、年間を通して時計作りに最高の環境を与えてくれる。伝統を愛しつつ革新を追求するブランドの哲学が体現された空間だ。
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