
ル・コルビュジエの印象にも似た本館のロビー階には、ティーラウンジ「ザ・ガーデン」がある。朝7時から夜10時まで営業している、国際文化会館のオールデイ ダイニングでもある。
この会館の特徴といえるのが、1階奥にある、「晴耕雨読」の書が掲げられたライブラリーだ。日本研究のための洋書を中心に約3万冊を蔵書している。利用できるのは会員のみだが、定期的に催される朗読会は非会員も参加できる。庭園を望む静かなこの一画は、古い書物のアカデミックな匂いがあふれている。随所に配されたライティングデスクでは、年配の勉強家らが書物やノートを広げている。松本重治もよくこのライブラリーで過ごした後、夫人と仲良く庭を散歩していたという。彼は1989(平成元)年に90歳で没した。現在は、国際連合事務次長を務めた明石康氏が6代目理事長として、82歳の今も元気に世界を飛び回り国際交流に励んでいる。
近年は、周辺アジア諸国からの知識層の会員も増え、米国主体の設立初期から、真の国際文化会館といえるものに変化してきた。国際文化会館の変遷とともに六本木の町も、この半世紀でアメリカ人の町から、よりコスモポリタンに変わった。高級な猥雑さがなくなり、雑多な国籍の外国人が集る平均的な町となった。しかし「日米関係の核心は中国問題である」といった松本重治の言葉がさらに重要度を増している現状を考えれば、このミックスカルチャーは悪いことではないのかもしれない。
最近は、六本木ヒルズや東京ミッドタウンとは対照的に、界隈性が色濃く残されている麻布十番へ足を向けるゲストが多くなったという。その意味でも、“最後のリベラリスト"が、ここ六本木に残してくれた国際文化会館の存在は貴重だ。
●国際文化会館
東京都港区六本木5 -11-16 TEL03-3470-4611
www.i-house.or.jp
近年は、周辺アジア諸国からの知識層の会員も増え、米国主体の設立初期から、真の国際文化会館といえるものに変化してきた。国際文化会館の変遷とともに六本木の町も、この半世紀でアメリカ人の町から、よりコスモポリタンに変わった。高級な猥雑さがなくなり、雑多な国籍の外国人が集る平均的な町となった。しかし「日米関係の核心は中国問題である」といった松本重治の言葉がさらに重要度を増している現状を考えれば、このミックスカルチャーは悪いことではないのかもしれない。
最近は、六本木ヒルズや東京ミッドタウンとは対照的に、界隈性が色濃く残されている麻布十番へ足を向けるゲストが多くなったという。その意味でも、“最後のリベラリスト"が、ここ六本木に残してくれた国際文化会館の存在は貴重だ。
●国際文化会館
東京都港区六本木5 -11-16 TEL03-3470-4611
www.i-house.or.jp