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ここに一生を捧げた松本重治は自らを「宿屋のあるじ」と称し、多くの要人を迎えた。ここの落ち着いた雰囲気に引かれた国内外の著名な学識者らにも“A Home Away From Home"として愛用されているという。海外からの宿泊者は今も半数近くが常連客で、インターナショナル・ハウスという親しみやすい英語名称を約して「I - HOUSE(アイ・ハウス)」と呼ばれている。松本重治は異なる文化の人々が共に飲み食いを楽しみ、気軽に語り合える「知のサロン」を目指した。自らを、あらゆる文化と思想を受け入れるリベラリストと称した。そして、リベラルな精神こそが世界和平に通じうると信じた。
 会館をしばしば訪れた、時のエドウィン・ライシャワー米国大使に「米国はベトナムから撤退するべきだ」と直言し、大口論になったこともあった。が、両夫妻が会館で親しく食事をする習慣は続いた。
 オッペンハイマーなどスピーカーとして招聘された定期講演会や国際会議は、現在も脈々と続いている。また、ティーラウンジ「ザ・ガーデン」と、フレンチレストラン「SAKURA」は、非会員料金を設定し一般開放している。
(上)レストラン「SAKURA」の内装は、吉村順三が手掛けた。ディナーは格的なフレンチのコース料理に加え、パスタなどのアラカルトもそろえる。(下)ディナーコースの前菜「スズキのカルパッチョ ヴェネグレットソース」(月替わり)は、ソースがさわやかな一品だ。
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