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両サイドが広々としたバルコニーにつながるリビング。空や緑を身近に眺め、季節の移り変わりを常に肌で感じられる気持ち良い空間だ。写真は積水ハウスの「REGNUM COURT(レグヌム コート)」ハウジングステージ新宿展示場。※取材・写真提供/積水ハウス
幸せをもたらす住まい
Text Asuka Kobata
以前にも増して選択肢が広がり続ける近年の住まいの在り方。外出するのではなく自宅でさまざまなことを楽しむというのがトレンドになりつつあり、より有意義な時間を過ごせる住まいが求められている。「幸せ」を感じる暮らしのワンシーンを思い浮かべながら、あなただけの理想の住まいを思い描いてみてはいかがだろうか。
近年、人々の価値観やライフスタイルはどんどん多様化している。それに伴い、住まいにも多くの役割が求められるようになった。もちろん、毎日の暮らしを営む場として安全で快適であることは住まいの第一条件だ。しかし、「自宅において、いかに有意義な時間を過ごせるのか」ということが、さらに大切にされるようになりつつある。
 そんな流れのなかで、「幸せ」をもたらしてくれる住まいとはどのようなものなのだろうか。一つ言えるのは、自然を身近に感じられる環境であることだ。庭やバルコニーと一体化したような開放的な空間で日々の生活を営むことができれば、ほっと心が和む。都市部に住まう場合も、プライバシーをきちんと確保しながら、光や風、緑を感じられる空間を実現したいものである。常に樹木や草花の存在をすぐそばに眺められる暮らしは特に戸建てでかなえやすく、マンションが立つような利便性の高い都市部に、あえて戸建てを建てる贅沢は、富裕層ならではの特権と言えるだろう。
 また、日本では高度経済成長期に増えた公団住宅の名残から、「○LDK」という間取りが住まいの価値の一つの判断基準になることが多い。しかし、実はこの考えが暮らしの可能性を狭めているのではないだろうか。たくさん部屋があることは、必ずしも豊かで幸せな暮らしにはつながらない。
 積水ハウスが2018年に発足させた住生活研究所の研究によると、「幸せ」を感じられる住まいの一つのかたちは、広々とした大空間があることだ。ひとつながりの大空間にリビングやダイニング、ワークスペース、ライブラリーなどを配すれば、家族が同じ空間にいながら、自分の時間を過ごすことができる。料理をする母親の目が届くところで子どもが遊んだり、読書をする父親のそばで子どもが勉強したりと、それぞれが思い思いに好きなことをしながら、互いの気配を感じていられるのだ。大空間のなかに居場所がたくさんあると、互いに適度な距離が取れるため、個室にこもることが少なくなる。心地良い距離感でつながることができるため、家族間のコミュニケーションも増えるだろう。
 さらに自由度が高いのも大空間のメリットだ。たとえば細かく区切った部屋がたくさんあり子ども部屋として使っていても、子どもが巣立ったあとはデッドスペースにならないだろうか。一方で、多目的スペースのような大空間を基本に、必要に応じて仕切るという考え方で部屋をつくっておけば、ライフスタイルのさまざまな変化にも対応しやすい。使い方を決めない余白スペースを設ける工夫をすると、快適で幸せな空間を実現しやすくなる。
 暮らし方を住まいに合わせるのではなく、一人一人のライフスタイルに寄り添う住まいがかなう時代。あなたに最適な「幸せ」な住まいのかたちを、ぜひ探し求めてほしい。
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