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(右上)スキーに疲れたら、さんさんと注ぐ日差しの下、アルプスの山々を眺めながら一休み。(右下)週末のスキー場は、ファミリーでにぎわう。市内のゲレンデは9歳以下が無料というのもうれしい。
グシュタードへの移住などのコンサルティングを行っているリロケーション・スイスの弁護士、ピーター・ゲイガー氏は「自然環境と社会環境の良さが富裕層にアピールするのです。また、この地域は一括税と呼ばれる支出や生活費に基づいた課税法を導入しています。所得や海外の資産には課税されません。スイスで働かない外国人の場合は無期限に適用される。その額は、地域の税務署との個別の交渉で決めます。ここでは税務署と納税者は対立関係でなく、いいパートナーシップを構築することが大切」と、語る。一時、この一括税を不公平とする反対意見もあったが、富裕層が落とす生活費諸々が地元を潤していることに鑑みて、そのまま継続されている。
 村のメーンストリートに並ぶ贅沢なショップがグシュタードの豊かさを物語る。車を遮断した1㎞ほどの瀟洒な通りは、高級食材店やカフェ、レストラン、銀行、有名ブランド店が立ち並ぶ。「これ以上パン屋をブランド店に変えないでくれ」という地元の声もあるくらいだ。子供用品店やおもちゃ屋、菓子店なども多く、通りに沿って開設されたミニアイスホッケー場は子供たちの歓声であふれている。
 グシュタード近辺には、初級から上級者コースまで220㎞に及ぶゲレンデがあり、ここも家族連れでにぎわう。名門校の体育の授業も専らゲレンデで行われる。村内のゲレンデは9歳以下無料。村のレストランには大抵子供用のメニューが用意されている。日中は元気な子供たちでにぎやかなメーンストリートは、ひとたび夕暮れになると熟年層の姿が増える。通りのシャンパンスタンドには、ここに移住したというF1最高責任者のバーニー・エクレストンも姿を見せる。ほかにも、イタリア政財界の重鎮エルネスト・ベルタレリ、F1レーサーのミハエル・シューマッハ、投資家のジョージ・ソロスが移住しており、そうしたビリオネアを見つける絶好の場である。
 ランプのともる薄暮の通りを散歩する人々は、誰もがそのゆったりとした歩みや物腰が優雅だ。ここの山の空気はシャンパンのように爽やかで、そして豊かさをもはらんでいる。
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