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ラウンジチェアに張ったのが「いちご泥棒」で、左手のカーテンが「ケルムスコットツリー」。ウィリアム・モリスのモダンで美しいデザインと、織物の高級感が相まって、エレガントで上質な空間をかなえてくれる。
織物で表現したモリスの世界
Text Asuka Kobata
植物や動物をモチーフに美しい自然を描いたウィリアム・モリスのデザインが、
織物で表現されていることをご存じだろうか。川島織物セルコンが織物の会社として長年培ってきた技術が、モリスの緻密で計算し尽くしたデザインと融合し、新たな魅力を生み出している。
1800年代に活躍したイギリスのクラフトデザイナー、ウィリアム・モリス。自然界の表情豊かな木々や草花をモダンにパターン化した彼のテキスタイルデザインは、誰もが一度は目にしたことがあるだろう。その緻密(ちみつ)で美しいデザインを織物で表現し、インテリアファブリックスとして展開しているのが、「織」のトップメーカーであり、江戸時代から176年の歴史を持つ川島織物セルコンだ。イギリス本国でモリスのデザインを継承するウォーカーグリーンバンク社のライセンスに基づき、ファブリックブランド「モリスデザインスタジオ」を2000年からスタートしている。
 モリスはデザイナーだけでなく、詩人、小説家、翻訳家、社会主義運動家として、さまざまな分野で活躍する多才な人物だったという。彼が生きたのは、ものづくりが工業化され、工場での大量生産や分業制が主流となりつつある時代。そんななかで古くからのクラフツマンシップや手仕事を大切にしながら壁紙やステンドグラス、家具などの工芸品を製作し、のちに「近代デザインの父」と呼ばれるように。特に力を注いでいたのは室内装飾の総合的なデザインで、木版のハンドプリントで自然をモチーフにした美しい壁紙やテキスタイルを生み出した。それらは、時代を感じさせないほどにモダンかつ普遍的で、現代でも多くの人々に愛され続けている。

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