ミラノで展示された“amazing flow"と題した平田氏のインスタレーションは、およそ330㎡の大空間を埋め尽くす最大高さ5.5mの変幻自在な道の造形。表面は木工技術に長けたベニスの職人が手作業で製作した曲げ木の線材で覆われており、その姿はまるで“恐竜の化石"のようだ。また、構造や風、音のエンジニアと協同することで、実際に来場者が作品を回遊でき、流れる風やミスト(霧状の水)を五感で感じられるようになっている。最先端のエンジニアリングと伝統的な木工技術で、レクサスの新しい世界観をつくり上げた。「車を始めとするモビリティと建築の二つの分野が相互に重なり合うことで、これからの暮らしの在り方が変わっていくかもしれない」と話す平田氏は、今後レクサスとの新たなコラボレーションについても意気込みをみせた。


道、音をイメージした巨大な木製のインスタレーション。構造や風のエンジニアと協同により複雑な形状が作り上げられた。表面はベニスの木工職人の手による曲げ木で覆われている。照明によって浮かび上がる様は「恐竜の化石」のようだと平田氏。