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国際相続(第3回、4回、7回、8回)
 たとえばハワイに不動産や預金を遺のこしたままで相続が発生すると、両国(日本とハワイ州)の相続法適用の問題と相続税法適用の問題が生じます。前者の場合、米国特有の制度としてプロベートがあるため、事前にこれに対する対策(TODD、POD、信託)も講じておかないと問題は更に複雑化します。被相続人が日本在住だった場合は、すべての財産を相続対象として相続税を計算し、米国で相続税がかかっている場合は一定限度を日本の相続税から控除可能です。

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信託(第5回、15回、17回)
 米国ではプロベート回避策としての信託制度の利用がポピュラーですが、日本では財産所有者が委託者として信託を設定し、その受益者に委託者以外の者が指定されると、受益者に贈与税が課税されます。課税の繰り延べ措置もないため、米国同様に信託がポピュラーに用いられるには税法上の手当てがなされなければ難しいでしょう。

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国際結婚と二重国籍(第6回、16回、18回)
 国際結婚によって日本人が外国の国籍を自発的に取得した場合、日本人は即座に日本国籍を喪失します。その時点からその人は日本に不法滞在している外国人になる蓋然性があるため注意が必要です。日本は二重国籍を認めていません。

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相続税と贈与税の一体課税(第10回)
 2022年4月19日の最高裁判決で、相続税の財産評価に「路線価方式」を用いるのは実勢価格との乖離が大きいため認められないとした国側が勝訴しました。あらゆる場合に路線価を使うことが認められないかのは不明ですが、現在、合法的に認められる節税手段である生前贈与に対しても、近い将来、封じられることが予想されます。

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永峰 潤(ながみね・じゅん)
東京大学卒業後、ウォートン・スクールMBA。監査法人トーマツ、バンカーズ・トラスト銀行等を経て、現在は永峰・三島コンサルティング代表パートナー。
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