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2022年の日本株は再評価の動きが強まる!?
田嶋智太郎 経済アナリスト
真の企業価値を再評価する動きに期待
振り返れば、2021年は世界的に株高の年となった。MSC(I モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出、公表している「MSCI世界株価指数」を見ると、同指数を構成する48の国・地域のうち21の株価指数が過去最高を更新。年末にかけては、ダウ工業株30種平均やS&P500指数といった米国の主要な株価指数も史上最高値を更新する動きを見せた。
 我が国の日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)の年末終値もバブル期のピーク以来32年ぶりの高値水準となり、ともに年間ベースでは3年連続の上昇となった。ただ、年間の上昇率は欧米の主要指数などに比べて少々見劣りするレベルにとどまった。よく言われるように、日本の株価は足元で他の主要国の株価に対する出遅れ感が依然として強く漂っている。
 では、新たに迎えた2022年の日本株はどうだろうか。市場関係者からは「真の企業価値を再評価する動きが強まり、足元の出遅れ感は解消に向かう公算が大きい」との声が少なからず聞かれる。
 何より見逃せないのは、総じて上場企業の「稼ぐ力」が足元で飛躍的に高まっているということである。実際、上場企業の一株当たりの利益の伸びは、平均的に見て欧米企業のそれに匹敵する高さを誇っている。くしくも、世界的に出遅れていた日本企業のデジタル化をコロナ禍が強烈に後押しする格好となったことで、ビジネスモデルの大変革と収益力の向上が一気に進んだという感もある。
 また、今年はコロナ禍による供給制約の問題も徐々に緩和し、自動車をはじめ広く製造業の挽回生産が活発化するとの期待も大きい。それは日本企業に限ったことではないのだろうが、過去1年余りにわたって日本の工作機械受注額が外需を中心に伸び続けている状況を鑑みれば、海外企業による生産回復というのも頼もしく映る。
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