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2018年の新作家具でコーディネートされた東京・京橋のショールームにダビデ・ソッツィ氏が来場。新作は「インディゴ」がテーマで、黒と見紛うような深いブルーの木材やファブリックを使用している。
ダビデ・ソッツイ 1974年生まれ。イギリス・ロンドンを拠点としている。建築家であり、プロメモリアにおいては家具デザインを手掛けるほかインテリアデザイン分野のヘッドを務める。仕事やプライベートで世界各国を訪れ、さまざまな建築物や風景をスケッチに残してアイデアソースにしている。
トータルデザインで完成する世界観
Photo TONY TANIUCHI
Text Asuka Kobata
思わず見とれてしまうほど美しく、エレガントなたたずまいの家具を生み出すプロメモリア。建築とインテリアをトータルでデザインするプロジェクトをスタートし、単なる家具ブランドとしてだけでなく、独自の世界観を空間全体で表現するインテリアブランドとして発展を遂げつつある。その中心に立つダビデ・ソッツィ氏に新たなプロジェクトについてうかがった。
1988年、イタリア・レッコでスタートしたプロメモリア。代々続く家具工房を受け継いだ3代目のロメオ・ソッツィ氏が、伝統ある職人技と自らの感性を融合して生み出した最上級の家具ブランドだ。クラシックとモダンが見事に融合したそのエレガントな家具は、一つひとつの部材や素材など細部にわたるまでこだわり抜いてつくられたものばかり。アンティークのように使い込むほどに美しさを増し、世代を超えていつまでも愛される家具として世界中の富裕層から根強い人気を集めている。
 そんなプロメモリアが数年前から力を入れているのが、建築とインテリアをトータルでデザインするプロジェクト。その中心となるのが、ロメオ氏の息子であり、同ブランドにおいてロメオ氏に次ぐポストに立つ4代目のダビデ・ソッツィ氏だ。学生時代に建築を専攻したダビデ氏は、建築家として活躍する一方で、プロメモリアのインテリアデザイン分野を担当。同時に家具デザインも手掛け、ロメオ氏のデザインとは少し異なる直線的でシャープかつ繊細な家具を数多く生み出している。
「プロメモリアは家具ブランドとしてスタートしましたが、空間は家具だけで構成されているのではありません。すべてがバランスよく存在してこそ、心地よく美しい空間が生まれます。プロメモリアにおいて自分が得意な分野で何ができるかを考え、プロジェクトを開始しました」
 建築家とともに空間を構想し、インテリアをつくり込むプロジェクトは、すでに世界各国で実現し、日本でも進行中だ。トータルでデザインすることで、内装と家具の素材を統一したり、建築のプロポーションに合わせて家具のフォルムを見直すことが可能に。例えば、床や壁にマーブル柄の大理石を用いた部屋に置かれたランプシェードが、同じ大理石をくりぬいてつくったものであったりすると、全体に一体感が生まれ、上質で美しい空間が完成する。
 何よりも特筆すべきは、内装材や家具のほとんどが、その空間のためだけに製作されたオリジナル品であること。プロメモリアの家具はオーダーを受けてから製作するオートクチュール家具であり、サイズはもちろん、フレームや張り地、取っ手、丁番などの素材や色も自由に選ぶことが可能だ。同様に、建築においてもその空間に最適な内装材や部材を一つひとつ厳選して製作している。さらに、同ブランドならではの職人技が生きた細やかで丁寧な家具の仕上げを、建築においても行っていることにも驚かされる。
「シンプルなデザインであればあるほど、素材の質感や細かな仕上げが大切になってきます。プロメモリアが生み出す空間では、家具製作で培った繊細さが感じられるはずです」
 家具ブランドだからこそ成し得る、均衡の取れた美しく上質な空間。今後、さらに発展するであろうプロメモリアの動向は見逃せない。

●トミタ トーキョー TEL03-3273-7500
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