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ことにCNFは、木質成分由来の観点からカーボンリサイクルにつながるうえ、強度が鋼鉄の5倍以上かつ軽さが5分の1という特性が低消費電力の実現につながるという点でも将来有望だ。今後、その市場規模は飛躍的に拡大すると見込まれ、関わる大王製紙や王子ホールディングス、日本製紙などといった大手製紙メーカーの存在は、株式市場でも一段と大きくなりそうである。
 低消費電力ということでは、パワー半導体にも今後の活躍の舞台は広がる。注目はその素材で、昨今は長らく主流であったシリコンの絶対的優位性が崩れ、より省電力化への貢献が期待できる炭化ケイ素(=SiC)の存在感が急激に増している。SiCはいったん「結晶」になれば特性が安定し、半導体の電力ロスを従来の半分以下に減らすことができる。その量産には高度な技術が必要であることから、国内メーカーの技術力が世界でモノを言うことにもなろう。
 調査会社の仏ヨール社の調べによると、SiCを用いたパワー半導体の市場規模は2026年までに2020年比で6倍程度に膨らむ見通しであるという。その3割のシェア獲得を目標とするロームやパワー半導体向け製造装置が好調なタカトリ、電気自動車(EV)向け半導体に注力する富士電機などが注目株の一角と見られる。
(左)THIS MONTH RECOMMEND・「アイデアを生み出せる人が勝つ」時代の到来
「資本主義にとっての物理的なフロンティアはほとんど消滅した」との見方は『資本主義の終焉と歴史の危機』を著したエコノミストの水野和夫氏などと共通する。しかし、同時に「昨今の脱資本主義論に対するアンチテーゼ」を唱えている点が他者とは異なる。頭の中のアイデアへと資本が集まる「アイデア資本主義」が訪れているとの考え方は、文化人類学を出自とする著者ならでは。今どきの企業経営に不可欠の視点であり、興味深い。
『アイデア資本主義』大川内直子/実業之日本社/1,980円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.
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