
(上左から2つ)ホテル地下にあるワイン貯蔵庫と、近所の邸宅をつなぐ5キロにも及ぶ地下トンネル。(上右から2つ)ホテル内のコンサートホールは、かつてチャペルと、シルクロードを旅するらくだのキャラバンを泊める部屋があった空間。(下左から2つ)この周辺のスケール感を思い切り目の当たりにできる熱気球ツアー。(下右から2つ)ギョレメ野外博物館と、岩の中に見つかった古代教会の内装。
もともとトルコの通信・不動産事業家だった同ホテルのオーナー、ギョクシン・イリカリ(Gökşin Ilıcalı)氏は、1996年にここウチヒサールの村を下見に訪れた際、一瞬にしてこの土地を気に入った。「当初は中型デザインホテルを考えていたのですが、あれよあれよという間にかなり大型の都市変形企画になってしまいましたね」と当時を振り返るイリカリ氏。「道路下に修道院の跡地を見つけたり、村のゴミ収集エリアの地面下に地下トンネルを発見したことで、方向性を変えることになったんです。ここまで地理的にも素晴らしく荘厳な建築が並ぶ環境の中で、古いコテージがゴミ捨て場になっていたりするのを見つけると、冷たい雨の中で震えている子猫の姿を目にするのに似ているというか、なんとかして守り保護してあげなくては、と思わずにはいられないんですよ」