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良かれあしかれ、全体に従順で同調圧力に弱い日本人の特質を考えると、早晩、国内のワクチン普及率は他の主要国のレベルに追いつき、場合によっては大きく上回ることになるのではないか。そうでなくとも、国内企業の業績は製造業を中心として着実に上向き始めており、執筆時に発表が相次いでいる4-6月期決算の結果も想定以上となっているものが少なくない。
 周知のとおり、コロナ禍が促すこととなった世界的なデジタル化の流れや地球環境重視といった社会の変容に対応すべく、前向きな設備投資を盛んに行う企業の実例も多く見受けられるようになってきている。日本経済新聞社がまとめた2021年度の設備投資動向調査によれば、全産業の計画額は前年度実積比で10.8%増える見通し。増加率は9年ぶりの高水準となり、工場設備を自動化するファクトリーオートメーションや自動車の電動化への対応をはじめ、これまで先送りしていたライン増強などにも踏み切ろうとしている企業の姿が浮き彫りとなっている。
 いずれワクチンの普及率さえ上がってくれば、海外投資家も日本株の割安度合いにあらためて目を向けてくると見ていいだろう。
(左)THIS MONTH RECOMMEND・日本社会の「老化」は前倒しされる…
著者いわく「コロナ禍によって日本の『社会の老化』は一気に前倒しされることになった」。その恐ろしさはどの程度のものなのか、具体的なデータの積み上げによって得られた分析結果を、わかりやすく可視化しているのが本書である。むろん、単に複雑な問題点や重い課題を指摘するだけでなく、対応・解決のためのヒントとなるものを提示してくれてもいる。「私(著者)を含めた中高年にもできることはある」。個々に熟考、熟慮することが求められる。
『未来のドリル コロナが見せた日本の弱点』河合雅司/講談社現代新書/968円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.
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