

日本株は早晩、出遅れ修正の局面へ
田嶋智太郎 経済アナリスト
執筆時における米国の主要株価3指数(NYダウ工業株30種平均・S&P 500指数・ナスダック総合指数)は、ほぼ連日のごとく史上最高値の更新を続けている。米国の金融政策当局である米連邦準備制度理事会(FRB)が非常に慎重な政策方針を掲げていることに加えて、諸外国のマネーが次々と米国債に流入していることで景気回復過程にあるにもかかわらず米国債利回りの上昇が抑え込まれていることも、米株価にとっては非常にフレンドリーなことである。
そして、何より米主要企業の足元の業績が極めて好調に推移していることが大きい。それは、バイデン米政権がハイテク、先端技術分野を中心とする米産業・企業に対して国家主導による壮大な支援策を講じていることも奏功している。米政権が産業支援を強力に行うのは対中政策の一環という意味において必然でもあり、今後も支援の手がむやみに引っ込められるということはなかろう。
米主要企業の業績がかつてないほどの好調さを維持してさえいれば、いずれ訪れると思われる米金利の上昇局面においても案じることはない。一時的な調整はあり得るものの、基本的に株価は「金融相場」から「業績相場」への移行を速やかに進めることになると考えられる。つまり、なおも米株価には十分な上値余地がある。
翻って日本株の方はというと、世界的な「出遅れ」が長らく指摘され続けている。よく引き合いに出されるのは、日本の東証株価指数(TOPIX)を米国のS&P 500指数で割った比率の低さ。1950年前後に1倍であった同比率は平成バブル時に9倍程度まで上昇したが、目下は0.43倍という歴史的な低水準にとどまっている。日本株が低迷している最大の要因は、海外投資家に見向きもされなくなっていることによると考えられ、その背景には五輪開催に伴うデルタ株感染拡大のリスクや内閣支持率の低下による政治の不安定化などがあると見られる。もちろん、ワクチン展開の遅れとそれに伴う景気回復の遅れというのも嫌気されている模様だが、ワクチンの調達・頒布の問題を着実にクリアして行けば、あとは「時間の問題」でもある。
そして、何より米主要企業の足元の業績が極めて好調に推移していることが大きい。それは、バイデン米政権がハイテク、先端技術分野を中心とする米産業・企業に対して国家主導による壮大な支援策を講じていることも奏功している。米政権が産業支援を強力に行うのは対中政策の一環という意味において必然でもあり、今後も支援の手がむやみに引っ込められるということはなかろう。
米主要企業の業績がかつてないほどの好調さを維持してさえいれば、いずれ訪れると思われる米金利の上昇局面においても案じることはない。一時的な調整はあり得るものの、基本的に株価は「金融相場」から「業績相場」への移行を速やかに進めることになると考えられる。つまり、なおも米株価には十分な上値余地がある。
翻って日本株の方はというと、世界的な「出遅れ」が長らく指摘され続けている。よく引き合いに出されるのは、日本の東証株価指数(TOPIX)を米国のS&P 500指数で割った比率の低さ。1950年前後に1倍であった同比率は平成バブル時に9倍程度まで上昇したが、目下は0.43倍という歴史的な低水準にとどまっている。日本株が低迷している最大の要因は、海外投資家に見向きもされなくなっていることによると考えられ、その背景には五輪開催に伴うデルタ株感染拡大のリスクや内閣支持率の低下による政治の不安定化などがあると見られる。もちろん、ワクチン展開の遅れとそれに伴う景気回復の遅れというのも嫌気されている模様だが、ワクチンの調達・頒布の問題を着実にクリアして行けば、あとは「時間の問題」でもある。