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(左)ぶどう園のシンボルツリーの下で。開墾のとき、「その木は伐らないでもらいたい」と訪れた老婦人がいたという。「あれは森の精だったのかな」と振り返る。(右)開園の苦労から体調を崩したこともあった。しかし、それを救ってくれたのも、大学との共同研究によって、ぶどう園のぶどうから抽出した高密度のポリフェノールだった。
ルンズ・ファームではこの秋の収穫から、いよいよワイナリーを設けてワイン造りを開始する。永澤氏が選んだのは、ワイン発祥の地と言われるグルジアで、5、6千年前から受け継がれてきたワイン造りの原点、「アンフォーラワイン」である。
 「アンフォーラとは、円錐型の甕かめのこと。素焼きの甕ですが、ワインは外に漏れません。が、土中の酸素や微生物が甕の中に入って、自然の力で醸造するのです。アンフォーラでは発酵におよそ7カ月を要し、失敗するリスクも高い。だから今はグルジアを別として世界に5人程度しか生産者がいません。その代わり、太陽や大地の香りが感じられる、魂を持った唯一無二のワインができるのです」
 ルンズ・ファームのワインは1年に一度、大切な人と大切な「時」を過ごすときに開ける、とっておきのワイン。年間生産量は最大でも4千本。
 「自分でワイン造りをしたい方には、会員制でアンフォーラやセラー、樽などを貸し出します。ぶどうの栽培から醸造・熟成の過程をお教えしますので、育てたぶどうを醸造し、樽に移し、瓶に詰めるまで、本格的なワイン造りを楽しんでいただけます。そして、それはそのまま食の自給力につながるのです」
 本来ならワイン造りには、ぶどう畑と醸造蔵、そして醸造免許が必要だが、ここならルンズ・ファームの指導の下、すぐにでもアンフォーラ・ワイナリーのオーナーになれる。
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