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それは、一つに「半導体パッケージ基板」の製造に関わる企業であり、ことに従来よりも高い次元での生産管理や信頼性の求めにも応えられるイビデンや新光電気工業、凸版印刷、京セラなどといった一部の国内企業を指す。これらの企業には、ハイエンドサーバー向けの高性能CPUパッケージ基板や高性能ロジック向けのパッケージ基板などの増産・供給要請が、米インテルをはじめAMDやエヌビディアといった名だたる半導体メーカーから引きも切らないという。

 半導体製造と言えば、世界的な水平分業のなかで受託製造を行う台湾TSMCや韓国サムスンが有名だが、彼らがどんなにフル稼働でチップ製造にいそしんだところで、そのチップを基板に実装した高性能パッケージを手掛ける企業の手を借りなければ、パソコンやサーバー、ゲーム機などの製品は完成しないのである。

 また、半導体と並んで「産業機械のコメ」と称されるベアリングの世界でも、いわゆる「転がり性能が高い」というニッポンの技術力は光る。ことに「脱炭素」という時代の流れが強まるなかで、今後は電気自動車(EV)や風力発電装置向けなどに、ニッポン製のベアリングの用途は見る見る拡大していくと見込まれる。

 そして、何よりニッポンのお家芸と言えば「パワー半導体」の分野である。家電からIoT機器、産業用機械、EVなど多方面に用いられて省電力化に役立つパワー半導体は「脱炭素」の目玉と言える。
(右)THIS MONTH RECOMMEND・企業の経営状況や戦略、方針をわかりやすく図解で読み解く!
2016年に出版された同名書の改訂版。「会計の専門家ではない人」向けの会計学習という基本コンセプトで、国内外の大手企業が公表している実際の比較的新しいデータを用いて、図解分析の手法をわかりやすく説いているところが実に興味深い。財務諸表から会社の現状や戦略、方針などを容易に分析できるようになることは、大学生から企業の経営幹部、はたまた株式投資家などにとっても非常に重要であると再認識させられる。
『新版 財務3表図解分析法』國貞克則/朝日新聞出版/891円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.
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