


(左)SHの新作を織る織機。それぞれに太さや素材が異なる糸が重なり合い、瞬く間に美しい絵柄が浮かび上がる。(上)幅24.2mと日本最大級の緞帳用織り機。数人の職人が横に並んで、手作業で少しずつ織り上げる。(下)緻密な文様になると1日に数センチしか織れないというつづれ織りの帯。厳密な色指定などがなく原画のみを基に織ることもあり、職人の感性でその仕上がりが決まる。
そして、この美しい織物が実現できるのは、川島織物セルコンが歩んできた歴史や職人の技術力があるからこそ。同社の歴史は古く、1843年に呉服悉皆(しっかい)業として京都で創業。その後、二代川島甚兵衞が織物の製作を開始した。二代目はヨーロッパへと視察に赴いた際、日本とは異なるファブリックの使い方に心を打たれ、帰国後に織物による室内装飾を考案することに。1888年には当時の皇居である明治宮殿の室内装飾に織物を納入した。
二代目は織物に対して徹底したこだわりを持ち、有能な画家に原画制作を依頼。中でも後に社員となった澤部清五郎氏は、同社のデザインの礎を築いた人物といえる。織物で表現するからこそ生きる絵柄を追求し、細部にまで試行錯誤を重ねていたという。
二代目は織物に対して徹底したこだわりを持ち、有能な画家に原画制作を依頼。中でも後に社員となった澤部清五郎氏は、同社のデザインの礎を築いた人物といえる。織物で表現するからこそ生きる絵柄を追求し、細部にまで試行錯誤を重ねていたという。