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世界経済はバブルの
様相を色濃くする!?
田嶋智太郎 経済アナリスト
 11月の米大統領選で民主党のバイデン氏が当然を確実なものとした。トランプ米大統領がバイデン氏による政権移行の手続き開始を渋々容認したこともあり、次期政権を担ぐ主要閣僚の顔ぶれが徐々に明らかとなっている
が、なかでも金融市場の注目度が高いのは財務長官である。
 既報のとおり、次期財務長官には米連邦準備制度理事会(FRB)の前議長であったジャネット・イエレン氏を充てる人事が有力とされている(執筆時)。重要なのは、イエレン氏が就任するとなれば、市場のなかにはそれをドル安要因と捉える向きも多いということである。
 一つには、イエレン氏が財務長官に就任すれば、金融政策と財政政策の連携がグンと強まり、米国経済のコロナ禍からの回復がより確実なものになるとの見方がある。結果、市場にはリスク選好ムードが広がり、結果的にいわゆる「リスク選好のドル売り」が進みやすくなると見る市場関係者は少なくない。
 いま一つに、かねてよりイエレン氏は景気の先行きをより慎重に見通す「ハト派」として認知されているということ
がある。財務長官とFRB幹部らがともにハト派姿勢を強めれば、米金利の上昇は抑えられがちとなり、結果としてドル売り圧力が強まる可能性がある。
 とはいえ、かねてイエレン氏は単にハト派の姿勢をかたくなに貫こうとしてきたわけではないものと思われる。むしろ、常に現実的な対応を心掛けている人物なのであり、いたずらに「ハト派でドル安主義」と決めつけることには慎重でありたい。市場のリスク選好ムードが強まってドルが売られれば、同時に円も売られやすくなる。
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