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当面の円の上値には
自ずと限りがある!?
田嶋智太郎 経済アナリスト
本稿の執筆は米大統領選の投開票日よりも前であり、果たして現職のトランプ氏と前副大統領のバイデン氏のどちらが勝利を収めたかは判明していない。もっとも、本稿が読者の皆様の目に留まる頃になっても、まだ最終決着がついていない可能性も大いにある。
 そうした段階でも言えることは数あり、その一つは「どちらが次期米大統領に就任しても、かなり大掛かりな財政政策が米国で打ち出されることは確実」ということである。むろん、資金使途は少々異なると見られるが、その規模はおおよそ2兆ドル前後と見られており、選挙が行われる以前からその効果への期待は膨らんでいる。
 なおもコロナ禍は目の前で猛威を振るっており、追加の経済対策が不可欠であることは言をまたない。そして、米連邦準備制度理事会(FRB)がつかさどる米金融政策の方は、十分すぎるほどに緩和的なものとなっている。今のところ、FRBは「おおむね2023年いっぱいは実質ゼロ金利の状態が続く」としており、そのことを前提に大掛かりな財政政策が打たれれば、米景気は着実に回復する可能性が極めて高いと言える。もちろん、2021年の春先ぐらいまでには、幾つかの新型コロナに対応するワクチン候補が実用化への道を歩み始めている可能性も大いにあろう。
 そうなれば、米景気回復の加速度は増し、むしろ米国経済が本格的にバブルの様相を呈する可能性も決して低くはないと見られる。そうでなくとも、本稿執筆時点で米住宅市場は“ややバブル気味"となっており、米株価においても一段の上値余地があるものと
期待されている。バブルの実態部分というものは、往々にして「資産バブル」の色合いが濃くなりがちであり、米国の住宅価格や地価全般、加えて米株価などというものは一時的にも「買うから上がる、上がるから買う」のパターンをしばらく繰り返すこととなろう。
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