世界の贅沢、NILEの贅沢

（左）盛りだくさんの朝食。（中）チグリス河畔に沈んだ村。（右）聖なる魚の池に佇む少女。

南東アナトリア地方には、チグリス、ユーフラテス川の源流があり、広大なメソポタミア平原が広がる古代文明のゆりかごといえる一帯だ。近代になって灌漑作業が成功し、世界一の生産量を誇る杏やサクランボ、葡萄などの果物の産地として栄えている。このためか、この地方の朝食は一際豪華なことで知られる。テーブル一杯に新鮮な果実と野菜、肉や卵などの料理、様々なパンやチーズが並ぶ。中でも、古代メソポタミアに端を発するというヤギのヨーグルトは絶品だ。
　また、この地方にある古都、シャンル・ウルファの町は、預言者アブラハムゆかりの聖地や、ヒッタイト時代の城跡など観光名所となっている。高層建築がほとんどなく、褐色の石造りの町並みはどこかエルサレムと似た風情が漂う。夕暮れになると町並は薔薇色を帯び、町角のカフェには水煙管をすう人々で星降る夜半まで賑わう。