
(左)東京都A氏邸の外観。見晴らしとプライバシーを両立させるのは、玄関までの高さと奥行きの完璧なバランス。(右)心を解放する、広々とした吹き抜けの部屋。白の明るさを、黒い家具が引き締める。
使う素材は、国産にこだわる。それは木材利用率を上げ、植林・育林の費用をまかなう=日本の森林荒廃を食い止めるためだ。良い木ということだけを条件にするなら、外国産にもいくらでもある。だが、日本の美しい山なくして、心地よい暮らしはあるだろうか? 山を育てる観点から、太く長い、曲がりのない、ごく少量の最高の木だけを使うのではなく、従来は間伐材としてしか扱われてこなかったカラマツなども、適材適所で使い分け、コストをおさえつつ、オール国産材の家を実現している。ねじれや曲がりが問題とされてきた間伐材を、住宅建材として使えるようにするために、特殊な乾燥技術まで開発したという。「山を育て、森を建てる」という言葉で、みずからの住宅建築を喩える同社の、日本の森への深い思いに驚かされる。
「ハウジングオペレーションアーキテクツ」が採用しているのは、日本古来の木造軸組工法。千年以上の風雪に耐える建物を造ってきた、伝統的な在来工法に、木の弱点であるもろさをカバーするオリジナルの特殊継手金物、耐震性を高めるケナフボードなど、現代ならではの工夫を加え、高温多湿で地震の多いこの国で、永く受け継いでいける、耐久性の高い家を造る。ちなみにこの家を解体する場合、構造材の約8割が再利用可能。日本の森を無駄にしない、画期的なリサイクル住宅でもある。
「ハウジングオペレーションアーキテクツ」が採用しているのは、日本古来の木造軸組工法。千年以上の風雪に耐える建物を造ってきた、伝統的な在来工法に、木の弱点であるもろさをカバーするオリジナルの特殊継手金物、耐震性を高めるケナフボードなど、現代ならではの工夫を加え、高温多湿で地震の多いこの国で、永く受け継いでいける、耐久性の高い家を造る。ちなみにこの家を解体する場合、構造材の約8割が再利用可能。日本の森を無駄にしない、画期的なリサイクル住宅でもある。