

(左)中世のような路地が随所に。(右)機織機が飾られた店。
このユニークなホテルによって村は話題を集め、観光客が来るようになった。それに伴い、村には他のレストランやバー、土産物店、民宿なども開業。流出する一方で50人を切っていた村の人口も徐々に増え、現在の住民数は約130人に。静かな田舎文化に浸りたいという、都会からの長期滞在の別荘族も出現した。このため、ホテルとは別に13軒の家を改造、サービス付きの別荘(販売価格平米単価3000竄ャ~)として開発。これらの別荘もモダンな設備を備えながら中世時代の雰囲気のままに改装されている。こうした建物や施設だけでなく、キルグレン氏は地元の民芸、食べ物などの振興にも力を入れている。中世からの伝統を誇る織物技術で、ホテルなどの内装に使う布や土産物などが作られている。週末には広場で音楽会など多彩なイベントが行われる。また、地元のワインやハーブティ、名産品のサラミやチーズが売られ、レンズ豆、サフラン、唐辛子などを使った伝統料理が村のレストランのメニューに並ぶ。「ディズニーランドのような観光村に再建するのではなく、古来のアイデンティティを大切にした村を蘇らせたい」と、キルグレン氏は現在、近辺に10村の再建を進めている。

地元の小物を集めた土産物店。