世界の贅沢、NILEの贅沢

275th Anniversary
BLANCPAIN

Text Yasushi Matsuami

“伝統”を守り“革新”を続けるプライド

「私は、ブランパンをいつも革命的なブランドだと考えてきました。少々クレイジーで、少々冒険好きな」
　こう語るのはブランパンCEO、マーク　A.ハイエック氏である。時計の歴史をご存知の方なら、いささか意外な印象を抱くかもしれない。何故ならブランパンは1735年創業の最古の歴史を誇る時計ブランドなのだから。それが"クレイジー"で"冒険好き"とは！？　彼の言葉はこう続く。
　「私たちは、他社とは異なる存在を目指し、より革新に挑み、それまで達成できなかった事を試みるよう努めてきたのです」
　なるほどブランパンは、いつの時代でも"伝統"に立脚しながら、常に"革新的"な時計作りに挑んできた。そして、今年、創立275周年という大きな節目を迎えた。
　それを記念したモデルがバーゼルワールドで発表された。まず『ヴィルレ コレクション』に加わった新作。ブランパンの伝統を新しい形で提示するもので、『ヴィルレ コンプリートカレンダー ムーンフェイズ ハーフハンター』はその代表的な1本。控えめでありつつ、複雑機構とこだわり抜いた仕上げが実にブランパンらしい。
　このほか、複雑機構を今日的に表現した『L-エボリュ―ション』の新作、そして究極のグランドコンプリケーションモデル『ル・ブラッシュ カルーセル ミニッツリピーター』も発表された。ブランパンでしか成し得ない傑作たちが、275年の歴史を雄弁に物語っていた。