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さらに、本田氏が常に考えているのは、「ファブリックでどのような世界を作り上げるか」だと言う。例えば「チェルカーレ」の桜はパターン化された文様ではなく、枝を埋めるように花が咲き誇る情景。実物と同じような枝ぶりを描き、陰影を巧みに表現して桜の木がそのままそこにあるようにデザインしているため、住まいに取り入れるとまるで桜の木に囲まれているかのような感覚に包まれる。夜は照明でライトアップすると、夜桜が一面に広がるようなまた違った表情の空間を楽しむこともできる。
 「桜には日本人の誰もが思い出を持っています。織物だけで完結するのではなく世界観をイメージして製作することで、大切な思い出を呼び覚ますようなぬくもりある空間が実現できればと願っています」
 織物に丁寧に表現された独自の美しい情景が、日々の暮らしに彩りをもたらしてくれることだろう。

●川島織物セルコン TEL03-5144-3892
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(上)川島織物セルコンのインハウスデザイナーであり、「Sumiko Honda」を監修する本田純子氏。織物設計の経験を生かし、1998年に同ブランドを立ち上げた。
(下)すべて同ブランドのファブリックでコーディネートしたホテルの一室。クッションには梅をモチーフにした「ピエノット」、壁面パネルには流水をモチーフにした「リンフォルツァーレ」を採用している。
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