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公共スペースは、ため息が出るほど味のあるヴィンテージのミッドセンチュリー家具と、マーガレット王女の息子=デイヴィッド・リンリー子爵など、近代デザイナーによるアイテムがミックスしたサロン風デザイン。特に中二階に敷かれたパッチワークのカーペットは感動的だ。アンティーク・カーペットの切れ端を縫い合わせたこのラグは、その深い色合いで訪れる人を惹き付け、低めの天井から視線を奪う。アメリカのトンプソン系列ホテルがどこか軽い印象ならば、ベルグレーヴスは逆に面白いほど重みのある存在。もちろんその雰囲気作りには、壁に並ぶYBA系アーティストの一流作品も一役買っている。ちなみにアート作品はどれも、ロビー階にあるレストラン「ヒックス・ベルグラヴィア(Hix Belgravia)」を手がける人気シェフ、マーク・ヒックス(Mark Hix)が所蔵するものだそうだ。
 そして気になる客室はというと、こちらはツイードにチェックにピンストライプをふんだんに取り入れ、ますます贅沢な素材に溢れている。全85室あるゲストルームの内70室では、四角く張り出した大きな出窓に机やダイニングソファ、バスタブなどがはめ込まれ、部屋の中にさらにプライベートな空間が造られている。筆者が宿泊した部屋では、チェシャム・プレイス(Chesham Place)の三角形のプライベート・ガーデンを眺めながら、リラックスムードたっぷりのバスタイムを楽しむことができた。

●Belgraves - A Thompson Hotel
20 Chesham Place, London, England, UK
TEL+44 20 3189 4800

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