
美津村燕窩エキス研究所内に設置された、世界で唯一、独自開発された専用プラント。
「日本の製薬会社から、良質の燕の巣を年間トン単位で安定供給してくれと頼まれたのです。それだけの量を保証するのは大変なことですから、方々を回って供給源を開拓しました。やっと目処が立ってきた頃、それはアナツバメの巣に大量に含まれるシアル酸を利用した、新薬開発目的の研究のためだとわかり、現地でもそれなら、ということで、ようやく協力を得ることができました」
当時、医薬界で注目を集め始めていたシアル酸は、ヒトが持つおよそ60兆個の細胞の表面を覆う糖鎖の先端にある糖の一種で、母乳(特に初乳)や卵などにも存在している。糖鎖は病原体など細胞外物質との情報伝達や物質認識を担うアンテナのような重要な役割を担っており、受精や細胞の分化、老化などの生命現象から、癌、アトピー性皮膚炎、リウマチなど自己免疫に関係する諸疾患、ウイルス、細菌などの病原体感染にも深く関わっているといわれる、いわば「生命維持の根幹」ともいえる存在である。ヒトの唾液やローヤルゼリーにも含まれるが、燕の巣のシアル酸含有量は約10%と食品の中では格段に高く、しかも、ヒトの体内にあるシアル酸と分子構造が同じであるという。このことに注目した日本の製薬会社が、国内外の研究機関と連携して新薬開発に乗り出したのだ。
当時、医薬界で注目を集め始めていたシアル酸は、ヒトが持つおよそ60兆個の細胞の表面を覆う糖鎖の先端にある糖の一種で、母乳(特に初乳)や卵などにも存在している。糖鎖は病原体など細胞外物質との情報伝達や物質認識を担うアンテナのような重要な役割を担っており、受精や細胞の分化、老化などの生命現象から、癌、アトピー性皮膚炎、リウマチなど自己免疫に関係する諸疾患、ウイルス、細菌などの病原体感染にも深く関わっているといわれる、いわば「生命維持の根幹」ともいえる存在である。ヒトの唾液やローヤルゼリーにも含まれるが、燕の巣のシアル酸含有量は約10%と食品の中では格段に高く、しかも、ヒトの体内にあるシアル酸と分子構造が同じであるという。このことに注目した日本の製薬会社が、国内外の研究機関と連携して新薬開発に乗り出したのだ。