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 実のところ、前記の『女性が活躍する会社ベスト100』の公表に少し先んじて、今年3月には経済産業省(経産省)と東京証券取引所によって共同で選定された『平成30年度 なでしこ銘柄』の公表も行われている。平成24年度のスタートから7回目となる今回も名だたる国内大手上場企業42社が選定され、各社における企業価値向上実現のためのダイバーシティー経営への取り組み姿勢とその開示状況が評価された。毎回、経産省がまとめたうえで公開している「なでしこ銘柄レポート」によれば、過去に『なでしこ銘柄』に選定された企業の売上高営業利益率や投下資本利益率、配当利回りなどの平均値は、全体のそれよりも高いことがわかっている。むろん、その結果として選定企業の株価パフォーマンスが東証株価指数(TOPIX)をアウトパフォームしているという点も見逃せない。
 昨今の投資家は、ダイバーシティー経営の実践に積極的に取り組む企業に対し、優先的に資金を振り向けようとする傾向を強めているとされる。被投資先としての企業にしてみれば、自社の取り組み度合いを十分に評価してもらうことが重要であり、そのための一つの“指標"として上場企業の場合には『なでしこ銘柄』があるわけだ。
 一方で、企業の多様な人材活用を支援するイー・ウーマン(東京・港区)は政府機関や経済協力開発機構(OECD)東京センターなどの協力を得て「ダイバーシティインデックス」と称する指標を開発し、意欲ある企業に提供する仕組みを構築している。すでに企業の職場環境整備からブランド力強化、優秀な人材の獲得・登用、イノベーション創出などに有効活用できるとの期待が数多く寄せられている模様で、今後の展開が大いに注目されるところとなっている。
(左)どうすれば人の心を動かせるのかを考える!
スポンサーのトップである著者自らがメガホンを取り、監督から企画、脚本、チーフスタイリストまでこなした前代未聞のCM。2018年にCM賞の3冠を達成したハズキルーペのコマーシャルは業界に一石を投じることとなったが、そこに至るまでの経緯を読み進んでいると、何もかもが合点の行くことばかり。慣行やなれ合いを排除して「自分の頭で考える」を徹底することでしか人の心は動かせない。そう思い知らされる迫力の一冊である。
『自分の頭で考える CM賞3冠 ハズキルーペ』松村謙三著/KADOKAWA刊/1,620円
(右)たじま・ともたろう
 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
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