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再点検したい!Jリートの人気と魅力
かねて本欄でも幾度となく話題として取り上げている上場不動産投資信託(Jリート)にあらためて関心を寄せる投資家が、いま国内外で増えている。
 なかでも、とくに海外投資家からの人気が足元で見る見る高まる状況となっており、昨年は年間を通じて海外投資家がJリートを3057億円も買い越した。
 当然、それはJリートの先高期待が持続しているからであり、その背景には日銀がなおも超緩和的な金融政策運営を続けるなか、東京都心を中心にオフィスビルの空室率が急低下し、結果的に平均賃料の上昇が続いていることがある。なにしろ、今年2月の東京ビジネス地区におけるオフィス空室率は1.78%と、バブル期の1990年12月以来の水準にまで低下し、結果的にオフィスの平均賃料は62カ月連続で前月を上回るという状況にあるのだ。
 さらに、市場全体の時価総額が約13兆円という規模にまで成長し、グローバル投資家がある程度まとまった資金を投じる対象としてJリートが有力な候補となったことも大きいと言える。
 なかでも、最近とくに値動きが活発なのは「今年に入ってから公募増資実施の発表を行った銘柄(投資法人)」であり、具体的には「コンフォリア・レジデンシャル投資法人(銘柄コード:3282)」や「ジャパン・ホテル・リート(8985)」、「三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(3471)」などが挙げられる。
 お分かりのとおり、株式市場では一般に「公募増資は株式価値の希薄化につながる」と捉えられがちであり、それが売り材料と見なされて敬遠されることが多い。その実、Jリートに関しても昨年までは増資を発表した銘柄が、その直後から市場で厳しく売りたたかれるケースというのが珍しくなかった。
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