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もっとも、肝心の株式や不動産などの資産価値が「もはやピークに近い」というのでは、今後の資産株の株価の上値余地もおのずと限られてしまう。その点について、筆者は個人的に「今後の米・日の株価や米・日における経済の成長は「もうひと盛り上がりしてもおかしくない」と見通している。それは、今年の年明け以降、米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の正常化(~やや引き締め方向)に向けた取り組みに急ブレーキをかけたことが一因と考える。
 古今東西、各国・地域の景気が後退局面から脱して拡大傾向を辿たどり始めた当初というのは、当地の中央銀行が将来的なインフレ率の上昇を前倒し気味に危惧してしまうあまり、金融政策が“景気の先回り"をしてしまうということがよくある。その結果、せっかく拡大し始めた景気の先行きが怪しくなると、中央銀行は従前の政策に急ブレーキをかけることも少なくない。すると、そこから再び景気は勢いよく走り始め、その後の金融政策というのはしばらくの間、どんどん先走って行ってしまう景気の「後追い」をひたすら続けることとなる。これは金融政策が背負った“宿命"であり、結果として生じるのが「バブル」であることは過去の歴史が証明しているのだ。
(左)THIS MONTH RECOMMEND まずは「アートシンキング」を知ることから
「近年、ロジカルシンキングのみでは天井にぶつかってしまい、新たな価値創造ができなくなってしまっている」と指摘する著者は「ロジックと感性との絶妙なバランスが新たな価値を生み出す」とも述べる。その両輪を回していくという、アーティストたちが日々実践している思考法がアートシンキングと呼ばれるもので、これこそがビジネスの現場で限界を超えさせてくれる。全編にちりばめられた「目からウロコ」の指摘が実に興味深い。
『ビジネスの限界はアートで超えろ!』増村岳史著/ディスカヴァー・トゥエンティワン/1,620円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
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