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とくに、日本株の評価不足が言われて久しい。執筆時における日経平均株価の予想PER(株価収益率)は12倍台半ばとなっているわけだが、リーマン・ショック後におおよそ13.5 ~16.5倍の間で推移してきたことを考えれば、あまりにも低水準と言える。逆算すると日経平均株価を構成する上場225社の予想1株利益の平均値は1770円あたりとなり、仮に予想PER=15倍まで買われるとすれば2万6500円あたりが妥当な水準ということになる。
 証券会社のアナリストらのなかには「予想1株利益の平均値は最終的に1800円程度にはなる」と見る向きも少なくはなく、そうであるとすれば、日経平均株価は実のところ2万7000円~2万9000円あたりまで上昇してもおかしくはないのである。
 これから年末に向けて米ドルの需給は一層タイトになると見込まれており、結果的にドル高・円安が一段と進めば日本株も輸出企業を中心として全体に買われやすくなるはずである。言うまでもないことだが、近年の日本経済を支えている「インバウンド需要」にしても円高の状態では盛り上がりにくい。年末に向けて株高&ドル高・円安となる可能性はまだ十分に残されている。
(左)THIS MONTH RECOMMEND 製造業が変革への一歩を踏み出すために……
「今は絶好のタイミングであり、そして最後のタイミングであるかもしれません」と著者は言う。これは、製造業が「デジタル化」を上手に進めることにより、これまで以上の優位性をグローバルで獲得できるかどうかについての言及である。場合によっては、日本の製造業がこれまで強みとしていたものが、今は弱みに変わってしまっているかもしれない。まずは「はじめの一歩」を踏み出す必要があるということを、あらためて認識したい。
『ものづくりデジタライゼーション』羽田雅一著/幻冬舎メディアコンサルティング/1,620円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
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