

金融コラム 田嶋智太郎 経済アナリスト
冴えない東証マザーズ市場にあえて注目!
将来、東京証券取引所(東証)の市場第1部・第2部への上場を目指す前途有望な新興企業、ベンチャー企業が株式を公開している「東証マザーズ」全体の値動きが長らく冴(さ)えない。 同市場に上場するすべての銘柄を対象とした「東証マザーズ指数」は、今年1月下旬に一時1367ポイント台まで上昇したところで天井打ちとなり、下落に転じて以降は一貫して下値を切り下げる展開を続けた。ようやく、この8月半ばに一時932ポイント台まで大きく下落したところでいったんは下げ止まった格好となっているが、執筆時点ではなおも上値の重い状況が続いている。
このマザーズ指数を原資産とする株価指数先物が2016年7月に大阪取引所に上場したことや、今年2月に同指数連動タイプの上場投資信託(ETF)が初めて東証に上場したことなどにより、いまや投資家にとっては「東証マザーズ指数そのもの」も立派な投資対象となっている。つまり、ときには先物やETFが強い売りを浴び続けることで、同市場に上場する銘柄の多くが十把一絡(ひとから)げで売りたたかれてしまうケースというのもないではないわけである。
まして、東証マザーズ指数というのは、同市場に上場する数多(あまた)の銘柄のなかでも、とくに目立って時価総額が大きい銘柄の株価推移、業績動向の影響を受けやすいところがあり、例えばメルカリ(銘柄コード:4385)やミクシィ(2121)、CYBERDYNE(7779)など、このところ長らく株価が低迷している幾つかの銘柄の悪影響が全体に波及してしまっているという点も見逃せない。
とはいえ、さすがに「指数そのもの」の下げにも論理上の限界というものは自(おの)ずとあろう。前記のとおり、東証マザーズ指数は年初来高値から直近安値まで一時的にも3割超もの値下がりを見たわけであるから、いくら何でもそろそろ下げ渋るのが道理であろう。実のところ、直近(8月16日)の安値というのは3月安値や4月安値、7月安値などを結ぶライン(=下降チャネル下辺)の延長線上にあり、そこはテクニカルに下げ止まっていいところでもあった。
このマザーズ指数を原資産とする株価指数先物が2016年7月に大阪取引所に上場したことや、今年2月に同指数連動タイプの上場投資信託(ETF)が初めて東証に上場したことなどにより、いまや投資家にとっては「東証マザーズ指数そのもの」も立派な投資対象となっている。つまり、ときには先物やETFが強い売りを浴び続けることで、同市場に上場する銘柄の多くが十把一絡(ひとから)げで売りたたかれてしまうケースというのもないではないわけである。
まして、東証マザーズ指数というのは、同市場に上場する数多(あまた)の銘柄のなかでも、とくに目立って時価総額が大きい銘柄の株価推移、業績動向の影響を受けやすいところがあり、例えばメルカリ(銘柄コード:4385)やミクシィ(2121)、CYBERDYNE(7779)など、このところ長らく株価が低迷している幾つかの銘柄の悪影響が全体に波及してしまっているという点も見逃せない。
とはいえ、さすがに「指数そのもの」の下げにも論理上の限界というものは自(おの)ずとあろう。前記のとおり、東証マザーズ指数は年初来高値から直近安値まで一時的にも3割超もの値下がりを見たわけであるから、いくら何でもそろそろ下げ渋るのが道理であろう。実のところ、直近(8月16日)の安値というのは3月安値や4月安値、7月安値などを結ぶライン(=下降チャネル下辺)の延長線上にあり、そこはテクニカルに下げ止まっていいところでもあった。