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とどのつまりは「立地次第」ということになるのだが、それならば「今後はどのような立地が好まれそうであるか」ということを足元で生じている全体的な流れ、生じている変化からつかんでおくことは非常に重要。とくに若い世代の人たちの動向に見られる今どきの傾向というものが一つの決め手になりそうだ。もちろん、最寄り駅周辺の商業施設や芸術・文化施設などの状況によっても人気度合いは違ってくるし、当然、それは将来的な物件価格と賃料の相場も左右する。たとえ転居の予定はないにしても、投資家の立場として各地の事情を探ってみることはそれなりに興味深い。
 加えて、やはり見ておきたいのは全体景気のトレンドである。最近は米保護主義の強まりが世界経済全体にとってのリスクとなり、ともすると主要各国、ひいては「日本の経済にもダメージになりかねない」などとする論調がメディアで躍っているが、果たしてそうか。
 確かに「トランプ流」などと言われる政策運営の手法や外交の姿勢などには大いに慎重な対応が求められるところとなろう。しかし、そのすべてが中間選挙対策の人気取りであると考えれば、やはり最も望ましいのは一段の米景気拡大ということになる。実際に米景気が一段と拡大すれば、ある程度の米金利上昇やドル高には目をつぶらざるを得ないだろうし、少なくとも日米の通商関係については米中や米欧のようにはならないものと思われる。
(左)THIS MONTH RECOMMEND あえて財政破綻の可能性と真摯に向き合う
かねて、わが国では財政破綻の可能性について論じることに政治家や官僚だけでなく、学者もジャーナリストも二の足を踏みがちであった。しかし、本書は「破綻への政策対応を事前に考えることは政策論としての意義が大きい」として、あえて真正面から向き合っている。今後、消費税率を大幅に引き上げるのがいいか、いっそ破綻して出直すのがいいか、それとも……。実質経済成長率が10%程度にでもならない限り、いろいろ検証しておく必要がある。
『財政破綻後 危機のシナリオ分析』小林慶一郎編著/日本経済新聞出版社/2,160円
(右)たじま・ともたろう 金融・経済全般から戦略的な企業経営、個人の資産形成まで、幅広い範囲を分析、研究。講演会、セミナー、テレビ出演でも活躍。tomotaro-t.jimdo.com
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