
最高経営責任者 ゲルト・R・ラング
孤高の時計師にしてCEOであるラング氏は、機械式時計を衰退から救い、その功績が愛好家の絶大な支持を得た時計界の重鎮のひとりである。
孤高の時計師にしてCEOであるラング氏は、機械式時計を衰退から救い、その功績が愛好家の絶大な支持を得た時計界の重鎮のひとりである。

インディペンデントから
躍進したクロノスイス
躍進したクロノスイス
Photo Yuu Nakaniwa Text Fumitoshi Shimura
レギュレーターに真価を託した20年
往時のスイス製高級時計をリスペクトし、端整でモダンクラシックな意匠の時計作りで機械式時計の素晴らしさを現代に再認識させてきたクロノスイス。その同社設立25周年となる2008年は、代表作である「レギュレーター」も製造開始から20年目を迎えた。このレギュレーターこそ愛好家のハートに火をつけ、機械式時計の復活に貢献したのだ。その魅力は、ベースムーブメントをマリンクロノメーターに着想を得てレギュレーター仕様にカスタマイズした秘蔵のオールドムーブメントにある。そして、創設25年とレギュレーター20年を祝すモデル「レギュレーター24」には、1952年初出の名機「マーヴィン700」を30年間の眠りから甦らせて搭載する。「タイプライターがパソコンに進化するようなご時世に機械式時計の存在価値がこれほど高まるとは25年前に予期していなかった」と謙遜するCEOのラング氏だが、この人物なくして機械式時計産業の新時代は到来しなかったのである。